甘利氏「刑事事案になっていない」 現金授受疑惑で説明 ”捕まらなければ政治家として責任はないのでしょうか？”

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000033-asahi-pol 朝日新聞10/2(火)

　自民党役員人事で選挙対策委員長に起用された麻生派の甘利明元経済再生相は２日、党本部での記者会見で、金銭授受疑惑で２年前に閣僚を辞任した際の政治責任について、「何の刑事事案にもなっていない。検察の捜査がすべてだ」と述べ、疑惑は解消されたとの認識を強調した。

　甘利氏は２０１６年１月、週刊文春が報じた現金授受疑惑を受け、秘書の監督責任と国会審議に支障を来しかねないといった理由で閣僚を辞任。自身や元秘書が働きかけをした見返りに現金を受け取ったなどとして、あっせん利得処罰法違反などの疑いで告発されたが、東京地検特捜部は不起訴処分（嫌疑不十分）とした。

　甘利氏は、これまで自身による大臣室や事務所での現金計１００万円の授受などは認める一方、違法性はないと強調してきたが、２日の会見でも「熱烈なファンが、就任祝いにあがりたいと（大臣室に）来られた。『お祝いは届け出をせよ』と指示した。（その後）届け出がきちんとなされていることが第三者から確認された」と改めて適切な処理だったとの考えを示した。甘利氏は今年９月の総裁選で安倍陣営の事務総長を務めた。

感想；

刑事責任になっていなければ、「お金をもらって、口利きをしても問題ない」ことになるのでしょうか？
疑惑は時の検察庁が起訴しなかっただけです。
詩織さんの準レイプの件も、世界も含めて問題になっているのは、逮捕されなかったけれど（逮捕直前に上からの指示で中止）、それが問題になっているからです。

かつ、嫌疑不十分＝疑惑は解消された、ではなく、
嫌疑不十分＝疑惑は闇に葬られた、になるのではないでしょうか。

一番問題なのは、ご自身が不適切なことをしたとの認識がないので、また類似のことをされるのではないかということだと思います。
政治家としての姿勢が問われているのです。
ひょっとして、「政治家は口利きを行い、それなりの報酬を得るものである。ただし、逮捕されないように工夫する」とのお考えをお持ちなのかもしれません。

「悲しき玩具 一握の砂以後」石川啄木/近藤典彦編 ”妻が実家に帰ったのがきっかけで、「天才」から「生活者」の発見”

・途中にてふと気が変り
　つとめ先を休みて、今日も
　河岸（かし）をさまよへり

・誰か我を
　思ふ存分叱りつくる人あれと思ふ。
　何（なに）の心ぞ。

・よごれたる手をみる
　ちやうど
　この頃の自分の心に対（むか）ふがごとし。

・よごれたる手を洗ひし時の
　かすかなる満足が
　今日（けふ）の満足なりき

・神様と議論して泣きし――
　あの夢よ！
　四日ばかりも前の朝なりし。

・家にかへる時間となるを、
　ただ一つの待つことにして、
　今日も働けり

・いろいろの人の思はく
　はかりかねて
　今日もおとなしく暮らしたるかな。

・何故かうかとなさけなくなり、
　弱い心と何度も叱り、
　金かりに行く。

・笑ふにも笑はれざりき――
　長いこと捜したナイフの
　手の中にありしに。

・「石川はふびんな奴だ。」
　ときにかう自分で言ひて
　かなしみてみる。

・真夜中にふと目がさめて、
　わけもなく泣きたくなりて、
　蒲団をかぶれる。

・人間のその最大のかなしみか
　これかと
　ふつと目をばつぶれる。

・何もかもいやになりゆく
　この気持ちよ。
　思ひ出しては煙草を吸ふなり。

・クリストを人なりと言へば
　いもうとの眼が、かなしくも、
　我をあはれむ。

・呼吸いきすれば、
　胸の中うちにて鳴る音あり。
　凩こがらしよりもさびしきその音おと

・大いなる都の中に我ひとり為すこともなし死なむと思ふ

・わが為さむこと世に尽きて長き日をかくしもあはれもの思ふか

・道ばたに董（すみれ）を多く見いでつつ歩む心地に御言葉をきく

・快きあはれこの疲れ生きもつかず仕事をしたる後のこの疲れ

・死にしとかこの頃聞きぬ恋がたき才ありあまる男なりしか

・故郷（ふるさと）の訛（なまり）なつかし停車場の人込みの中にそを聞きに行（ゆ）く

・花咲かば楽（たのし）からむと思ひしに楽くもなし花は咲けども

感想；
妻が子どもを連れて実家に帰ったことにより、「生活者」としての視点が芽生えたそうです。
それまでの「天才」から「生活者」への視点になったとのことです。

悲しき玩具は石川啄木死後に出版されたそうです。
”悲しき玩具”のタイトルも編集された方が名づけられたとのことでした。
今回の本はその本をもう一度見直して出されました。