「なぜ生きる」明橋 大二, 伊藤 健太郎, 高森 顕徹共著 ”不自由の中に自在の自由を満喫する”

・親鸞聖人「万人共通の生きる目的は、苦悩の根元を破り、“よくぞこの世に生まれたものぞ”の生命の大歓喜を得て、永遠の幸福に生かされることである。どんなに苦しくとも、この目的果たすまでは生き抜きなさいよ」

・「平生業成」　人生の目的が現在に完成するということ。

・人生の目的は、「苦しみの波の絶えない人生の海を、明るくわたす大船に乗り、未来永遠の幸福に生きることである」

・ニーチェ「人間は苦悩を欲し、苦悩を探し求めさえする」

・無明の闇とは「死後どうなるか分からない心」

・「一念」というは、信心、二心無きが故に「一念」という（教行信証）
　無明の闇が晴れ、人生の目的の完成した世界を、「一念」と表現されている。無明の闇を「二心」という。

・“信心が定まる”とは、摂取不捨（せっしゅふしゃ）

・少年は山ひとつ越えた学校へ、一人で通学しなければならなかった。
　課外授業で遅くなった帰路などは、どきっとするような寂しい山道もある。夏はじりじり照りつける太陽に焼かれ、冬は容赦なくたたきつける吹雪に、しゃがみ込むこともあった。雨がふると、たちまち坂道が滝になる。
「ああ、もっと学校が近ければ・・・。この山さえなかったら・・・」
いつも山と道とが、恨めしかった。
やがて学校に、美しい少女が転校してきた。なんと彼女は同じ村ではないか。以来、しばしば一緒に通学し、遠い学校のこと、さびしい山道のことなども語りあう、親しい仲になっていた。
ある日、学校を出てしばらくすると、にわか雨におそわれた。なかなかやみそうにない。傘は少女の一本だけ。思いかけずに相合傘になった少年は、村に着くまでひそかに願った。
“雨がやまないように”“山がもっとさびしければ”“村がもっと遠ければいい”。“苦しめるもの”と、あんなに恨んでいた道の遠さも、山のさびしさも、変わってはいないのに、今は少しも苦にならない。“さわり”がかえって楽しみになっているようなのだ。

・不自由の中に自在の自由を満喫する「無碍の一道」こそが、すべての人の求めてやまない究極の目的なのだ。

感想；
宗教は信じるものです。
仏教は、宗教というよりも生き方の哲学のようなところもあるように思います。

宗教から学ぶことはたくさｎあるかと思います。
”唯識”
この言葉に出逢い、なるほどと思いました。
この世界は自分の見方によって、いかようにも変わるものだと。
まさに、学校までの遠い道のりの例は、視点がかわると気持ち的には真逆です。
遠い道のりも、学校に通えるありがたさ、通える体力があるありがたさを感じることができると人生はもっと幸せに感じるのでしょう。