幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」磯田道史著 ”眠っている古文書から知る”

2019-07-30 08:54:54 | 本の紹介
・「無私の日本人」
 穀田屋十三郎は300年近く前に生まれた。仙台藩の重税にあえぐ宿場の民を救うため現在の価値で三億円の基金をつくって藩に貸し、年々藩から3000万円の利息をとって、30万円ずつ約100軒の家に配り宿場を衰退から救う制度をつくった。寒村だから基金三億円をつくるのが大変、穀田屋たち九人の商人が倒産覚悟で無償でお金を出し合った。そんなことをすれば当然、町の英雄になる。ところが穀田屋たちは「慎み」の約束を結ぶ。金を出して宿場を救った自分たちは子々孫々の代まで上座に座らない。やったことを人前で自慢しない。道の端っこを歩くように町で暮らす、というのである。

・昭和天皇は実父の大正天皇とはほとんど暮らしていない。父親代わりとなり絶大な影響を与えたのは、乃木・鈴木・桑野の三人である。桑野の自筆和歌集から、私は思った。昭和天皇は終戦時、関ヶ原の合戦を思っておられたのではあるまいか。昭和天皇は幼時、関ヶ原合戦の経緯を教わり、小早川秀秋の裏切りで事態が決したことを知り、桑野らに、自分は二心あるものを嫌う、と発言している。それで、北のソ連が参戦してきたとき、昭和天皇は30分もしないうちに幸福への行動をとっておられる。背後の松尾山に布陣した小早川=ソ連が襲ってくれば、西軍=日本はおしまいだ、という頭が、おありになったのではないか。終戦の夏、私は昭和天皇を育てた男の筆跡をみながらそんなことを考えた。

・この富くじはだいたい5%が当たりくじである。京都の東寺の富くじでいうと、三万枚発行して当たりくじが1,500枚。300両や150両は滅多に当たらないが、お金が二倍になる金一分(約8万円)の当選は776本もある。・・・ 決定的に違うのは控除率である。現代の宝くじの控除率(運営側=胴元などの取り分)は約55%で、かなりとられる。しかし、江戸時代の富くじは自社への奉納金が一割前後、販売手数料などを考えても、現代の宝くじよりずっと低かった。世の中はだんだん世知からくなっているということか。ちなみにそれを知る私は、一度も宝くじを買ったことがない。

・日本では仮名交じりの木版出版文化で、本で女性や庶民へ実学が広がった。識字率の高い、労働力の質の高い社会ができあがった。いわば「本」こそが日本を作ったといってよい。大砲が日本を作ったのではない。

感想
古文書は歴史の教科書には出てこない、人々の生の声の宝庫のようです。
国が編纂した歴史書(例えば日本書紀など)はその時の政権(勝利した側)がまとめたものであり、その時の政権にとって都合の悪いことは記載せず、都合のよいこと、あるいは作話して掲載しています。
読む側はその可能性もあるとしてみます。
一方、古文書は書いた人の自由意志で書いています。
多くの人が書いた古文書を読み解くことで当時の状況がわかってくるのだと思いました。

統計不正、「身内」が監視 識者「官邸の意向効く恐れ」 ”第三者の意味”

2019-07-30 08:48:08 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190729-00000117-asahi-pol 朝日新聞7/29(月)

統計不正と第三者性の問題
 厚生労働省の統計不正を受けた再発防止策として、政府は今月26日から内閣官房に31人の「分析的審査担当」を配置した。外部審査を強調するが、政府内の「身内」が監視する体制で、第三者性が確保できるか疑問の声が出ている。

 厚労省の毎月勤労統計では、大規模事業所の全数調査を2004年から勝手に一部抽出調査にしていたことが発覚。18年1月からは勝手に数値を補正し外部に公表せずにいた。その後の一斉点検では、56の基幹統計のうち23統計で不正やミスが見つかった。

 総務省の統計委員会は今年6月、各府省内の審査体制が不十分だったとして、統計の調査部署から独立した分析的審査担当を置くよう提言。政府は7月26日付で、各省のベテラン統計職員らを係長級~課長補佐級として内閣官房に配置した。厚労省など10府省にそれぞれ1~4人が常駐し、
(1)公表前チェック
(2)公表済み統計の点検
(3)調査変更時の影響分析
(4)ミス発覚時の対応――にあたる。

 しかし、首相がトップの内閣官房が審査する体制には、「第三者性」を問題視する声もある。新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「中立的、科学的であるべき統計は、人事院のような独立機関が所管するべきだ。内閣官房が関与するということは、官邸の意向がストレートに効く恐れがある」と指摘する。

感想
第三者(実用日本語表現辞典より https://www.weblio.jp/content/第三者
その物事や出来事に直接関わりを持たない人を指す語。行為者でも行為の対象でもない者、当事者ではない者。

当事者が第一者、その人と同じ部署や関係者は第二者、まったくその人や事象と関係ない人が第三者になります。

前に厚生労働省の不正データの調査を第三者に委ねたときに、厚生労働省の幹部が立ち会ったそうです。これは厳密な意味での第三者にはなりません。厚生労働省の幹部は第二者に相当します。

いじめがあったかをよく第三者委員会で調査しています。
しかし、この第三者委員会を教育委員会が委員を選定しています。
これも厳密には第三者委員会とは言い難いです。
教育委員会は第二者になり、その意向を汲んだ人を選んでいる場合があり、それだと第三者委員会ではなく、実質第二者委員会になっています。
そのため、「いじめはなかった」「いじめが自殺と因果関係があるとの根拠はなかった」との結論を導いています。
これなどは客観的な第三者委員会と言えない結論になっています。

今回の厚生労働省方法は第二者委員会になります。
かつ、客観的というよりも、検閲のような仕組みにもなっています。
戦争中の出版物を国が検閲できるようにした”新聞紙法”のような、自分たちに都合の悪い情報は出さない仕組みに使われる可能性もあります。
ますます、国民には知らされなくなるかもしれません。