安土桃山の戦国時代の人、お坊さんとし名高いほか、歌人、茶道家、椿の研究者として知られた人。
「醒睡笑」はさくでんさんご自身が、読み返してみると、<おのずから眠りを醒まして笑う>という、楽しい話が千編以上あつめられています。
・しわんぼう やれ、おれじゃ、わすれたか
あるおとこが、銭をかくした。
「いいか、かならず、ほかのひとには、ヘビにみえて、おれが、みるときだけ、銭になるんやで」
それを、うちのものが、きいていた。おとこがいないるすに、そっと、銭をほりだして、かわりに、ヘビをいれた。
それをしらぬ、おとこが、かえってきて、ほると、銭がなくて、ヘビがでてきた。
「おい、おれじゃ、わすれたんか」
おとこが、なんどもいっていいたのは、おかしなことだ。
・ふんだり、けったり 福の神
なんにでも、エンギをかつぐ、ひとがいた。
おおみそかに、与三郎という、つかっているひとにいう。
「こよいは、はようかえって、おやすみ。あしたは、はやくおきてくるんやで。門をたたいたら『だれや』というから、『福の神にてそうろう』とこたえるんやで。そうしたら、戸をあけて、なかにいれるさかい」
と、ねんいりに、いいふくめた。
ご亭主は、それでも気になって、ニワトリがなくと、おきて、門で、まちかまえていた。
おもっていたろおりに、戸が、たたかれた。
「だれや、だれや」
「いや、与三郎や」
ご亭主は、おもしろくないが、門をあけ、灯をともし、若水をくんだ。
ご亭主は、ぞうにをたべるころになっても、いいかおもしないし、ものもいわない。
与三郎は、あれこれ、気をもんでいるうちに、おとそをのむころ、おおみそかにいわれた、福の神になるのを、わすれたことを、おもいだした。
びっくりぎょうてんして、おぜんをおわらせ、ざしきから、たつときに、
「さらば、福の神でござる、おいとまいたします」と。
・福は、よそに
あるおかみさんが、つかっているひとの名に、福というのがいた。
おおみそかに、おかみさんは、福に、
「そちは、いまから、宿へかえって、おやすみ、あしたは、はやくおきて、門をたたきなさい」
ところが元旦の夜がふけて、午前三時になっても、福はかえってこない。
門をたたくおとがした。やっと、きたかと、といっても、へんじがないので、こらえきれずに、
「福か、やい」
「いや与三郎でございます。なんで、おれが福なものか、福は、夕方から、よそへいっているんや」と、つぶやいた。
感想;
縁起を担ぎたくなるものです。
それを心の安定にも寄与しているのでしょう。
笑うことで幸せホルモンが出るそうです。
それは心身をリラックスさせてくれます。
笑う門には福来る
失敗も笑いに変えるくらいの余裕を持ちたいです。
「醒睡笑」はさくでんさんご自身が、読み返してみると、<おのずから眠りを醒まして笑う>という、楽しい話が千編以上あつめられています。
・しわんぼう やれ、おれじゃ、わすれたか
あるおとこが、銭をかくした。
「いいか、かならず、ほかのひとには、ヘビにみえて、おれが、みるときだけ、銭になるんやで」
それを、うちのものが、きいていた。おとこがいないるすに、そっと、銭をほりだして、かわりに、ヘビをいれた。
それをしらぬ、おとこが、かえってきて、ほると、銭がなくて、ヘビがでてきた。
「おい、おれじゃ、わすれたんか」
おとこが、なんどもいっていいたのは、おかしなことだ。
・ふんだり、けったり 福の神
なんにでも、エンギをかつぐ、ひとがいた。
おおみそかに、与三郎という、つかっているひとにいう。
「こよいは、はようかえって、おやすみ。あしたは、はやくおきてくるんやで。門をたたいたら『だれや』というから、『福の神にてそうろう』とこたえるんやで。そうしたら、戸をあけて、なかにいれるさかい」
と、ねんいりに、いいふくめた。
ご亭主は、それでも気になって、ニワトリがなくと、おきて、門で、まちかまえていた。
おもっていたろおりに、戸が、たたかれた。
「だれや、だれや」
「いや、与三郎や」
ご亭主は、おもしろくないが、門をあけ、灯をともし、若水をくんだ。
ご亭主は、ぞうにをたべるころになっても、いいかおもしないし、ものもいわない。
与三郎は、あれこれ、気をもんでいるうちに、おとそをのむころ、おおみそかにいわれた、福の神になるのを、わすれたことを、おもいだした。
びっくりぎょうてんして、おぜんをおわらせ、ざしきから、たつときに、
「さらば、福の神でござる、おいとまいたします」と。
・福は、よそに
あるおかみさんが、つかっているひとの名に、福というのがいた。
おおみそかに、おかみさんは、福に、
「そちは、いまから、宿へかえって、おやすみ、あしたは、はやくおきて、門をたたきなさい」
ところが元旦の夜がふけて、午前三時になっても、福はかえってこない。
門をたたくおとがした。やっと、きたかと、といっても、へんじがないので、こらえきれずに、
「福か、やい」
「いや与三郎でございます。なんで、おれが福なものか、福は、夕方から、よそへいっているんや」と、つぶやいた。
感想;
縁起を担ぎたくなるものです。
それを心の安定にも寄与しているのでしょう。
笑うことで幸せホルモンが出るそうです。
それは心身をリラックスさせてくれます。
笑う門には福来る
失敗も笑いに変えるくらいの余裕を持ちたいです。