https://news.yahoo.co.jp/articles/b36e05322db9f1f4eb86cb4fda5b1911f1987fce?page=1 3/6(日) 7:30オリコン
最近では、YouTubeやワイドショーのコメンテーターなど、これまでにない活動に挑戦している中川翔子。もともとブログで人気を得てブレイクした彼女は、今年で芸能生活20周年を迎えた。だが、その道のりは決して平たんではなく、「何度も芸能活動をやめようと思った」と振り返る。10代のころから、なかなか自分を肯定できなかった。30代のいま、“黒歴史”だと思っていたことが、仕事に生きていることに気付いた。「もう、自虐はしない」、そう決心した胸の内を聞いた。
■10代の自分に「死なないでくれてありがとう」、過去が未来の私を助けてくれた
2002年に芸能活動を開始し、今年20周年を迎える中川翔子。歌手活動をはじめ、タレント、女優、声優活動、近年ではYouTubeにワイドショーのコメンテーターなど、その活動は多岐にわたる。
なかでも『劇場版ポケットモンスター』シリーズや、『塔の上のラプンツェル』など、声の芝居には定評がある彼女。最新作、映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』(3月11日公開)では、初の母親役であるエメラルダ女王の声を務めた。
「私にとっては節目となる、芸能生活20周年の年。この年に、子どもたちが初めて観るような映画に携われたことも嬉しいです。しかも、初めての母親役…!『ポケモン』も『ラプンツェル』もですが、そういった作品に携わったことで、若者たちから『子どものころ作品を観ていました』って言われると、『エア子育て、成功してるじゃん!』って思います(笑)。『しまじろう』でも、少しでも子どもたちの夢のお手伝いになればという気持ちでした」。
中川が歌う主題歌は、「君のまんまが いいんだよ」(Youtube)。作詞作曲を手掛けたのはヒャダインだ。歌詞のなかには、ありのままの自分でいることの大切さ、尊さが綴られている。中川自身、10代のころ自身を肯定できなかった時期があった。だからこそ、胸に突き刺さるというのだ。
「メッセージが最高なんです。まさに、自己肯定感アップの魔法の歌。消えたいな、とか悩んでばかりいた10代のころの自分に、いま何て言ってあげればいいかと考えるのですが、やっぱり『君のままでいいんだよ。生きていてくれて、死なないでくれてありがとう』って言いたい。つらかったとき読んでいた漫画や、絵を描くこと、そのすべてが未来の私を助けてくれているんです」。
同作は中川にとって21作目のシングルリリースとなる。多方面で活躍している中川だが“歌”というのはどんな位置づけなのだろうか――。
「曲ができるたびに、コンサートをするたびに『これが最後だ』という覚悟で臨んでいたら、20年経っていました。正直こんなに続くとは思っていませんでした。何度も芸能活動をやめようと思った時期もあったけれど、歌があって良かった。特にアニメソングって日本語のまま通じるので、年齢も国籍も超えてみんなと一緒になれるんですよね。いまはコロナ禍で難しいですが、いろいろな国に行けてみんなが歌で元気になれる。歌っていいなと思いました」。
■芸能活動の岐路に立つたび現れた“神”、多彩すぎる仕事にはモヤモヤも
「何度もやめようと思った」という芸能活動。常にエンタテインメントの第一線で活躍しているように感じられるが、20年という道のりは山あり谷あり、かなりの険しい道だったという。そんなとき、手を差し伸べてくれる“神”のような存在に出会って踏ん張ることができたという。
「最初、私はジャッキー・チェンさんの事務所に入ったのですが、すぐに仕事がなくなってクビになったり、オーディションを受けても落ちまくっていたり…。もうやめようかなと思っていたら、偶然ピンチヒッターで起用されたロケで、憧れの漫画家・楳図かずおさんとご一緒して。こんな、地下で生きているどうしようもない私にも神対応をしていただき、『もう一度頑張ろう』と思えたんです。その後も、芸能活動を続けていたら、ジャッキー・チェンさまに会えて、抱きしめてくださったり…。すごく落ち込んでいるときに、神様のような方と出会えて素敵な言葉をいただけることが多く、なんとかここまでやってこられた感じなんです」。
多彩であるからこそ、毎日違うジャンルの仕事をする日々に不安もあった。「自分はなんの人なんだろう?」という思いは常に心のどこかにあったが、そんなモヤモヤも、人との出会いで「それでいいんだ」と肯定的になれたという。
「北乃きいちゃんと旅番組でご一緒したことがあったんです。きいちゃんも女優さんとして活躍する一方で、情報番組のMCなどもやっていたじゃないですか。彼女自身、いろいろな葛藤はあったようなのですが、アメリカに留学したとき、向こうの女優さんは歌もバラエティもなんでもやるのを知って、吹っ切れたそうなんです。私に対しても、『いろいろなことをやっている中川さんは素敵です』って言ってくれて。そのときにパッと開けたというか、モヤモヤが晴れました。
歌についても、曲によって声が変わってしまうので『中川翔子らしさってなんだろう?』と悩んでいたのですが、ヒャダインさんが『中川翔子節がちゃんと出ているから大丈夫だよ。あなたはアニソンのお姉さんとして、子どもたちに歌を伝えているんだから』と言ってもらえて腑に落ちたんです」。
■ラクな自虐にはもう頼らない、「自己肯定感って絶対必要」
映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』(C)Benesse Corporation 1988-2022/しまじろう
現在は情報番組『ひるおび!』(TBS系)のコメンテーターとして、社会問題などにも言及することがある。
「まさかこんなオファーをいただけるとは、思っていませんでした。扱うものもコロナ禍の話や、政治の話、殺人事件など、社会性の高いものも多く、しかも生放送。怖いなと感じることもあるのですが、それ以上にすごくやりがいがあるので楽しいです」。
短い時間で要点をまとめ、視聴者に伝えなければいけない。そこで役に立っているのが、中川が好きだと思って接してきたものたち。
「語彙力って何から得られたのかなと考えたんです。私は中学生のときに絵を描くことが好きだったのですが、描いた絵をキモイと言われて『ダメだ』と思ってしまった。そのとき母親が芸能コースのある高校を探してくれて、そこに行ってから、いろいろな人がいて風通しが良くなったんです。私が描いた絵も、ヤンキーのギャルが『絵、うめえじゃん!』と言ってくれたりして、『あー、私も息していいんだ』って。
それでも学校に行けない日もあって、そんなときは古本屋さんに行って小説をだけ買って帰っていたんです。そのとき読み漁った小説の文章が、いま役に立っているような気がします」。
『ひるおび!』のコメンテーターだけではなく、YouTubeを含む中川の活動は、すべて幼少期から「好きだ」という気持ちでやってきたこととリンクしているという。
「私は『この仕事をするためにこれをやろう』という考えはないような気がします。18歳くらいまで、ただ好きだからとやっていたことが、ありがたいことに仕事に繋がっている。当時は黒歴史だなと感じていながらも没頭していたことが、人に届けられ、それを見た人がなにかを感じてくださっている…。とても不思議なことでもあり、ありがたいなと思っています」。
好きなことを思い切り表現し、それに賛同してくれる人がいる。そんな状況は、中川自身の心境にも大きな変化をもたらしているようだ。
「以前は褒めてもらえると、つい『私なんて』とか『こんな地下に生息する人間なんで』みたいに、自虐的な言葉で返してしまっていたんです。その方がラクですからね。でも、それは必要のないことなんだなと思うようになってきました。自虐にも言霊が宿るから、本当にやめた方がいいなと。先ほども『君のまんまが いいんだよ』という歌の歌詞で触れましたが、自己肯定感って絶対必要だと思うんです。だからこそ、もう自虐はしない。自分以外の人に対しても、思ったことはちゃんと口にして褒めようと強く実感しました」。
映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』には、相手を思いやる気持ちや、しっかりと尊重し褒めることの大切さが描かれている。
「私はしまじろうと誕生日が一緒なので、常に気になる存在だったんです。それが今回、こうしてご一緒できるなんてまさに運命です。誰かを褒めることの大切さが描かれていますし、子どもだけでなく大人も涙腺崩壊する映画。これを観た子どもたちが大きくなって、『この映画、子どものころに観たんです』と言ってくれるのは、20年後ぐらいかもしれない。だから私も、40周年を迎えられるくらい頑張ろうと思っています」。
(文:磯部正和)
感想;
自虐にも言霊が宿るから、本当にやめた方がいいなと。先ほども『君のまんまが いいんだよ』という歌の歌詞で触れましたが、自己肯定感って絶対必要だと思うんです。
マンガ「バカボン」によく出てくる言葉「これでいいんだ」
無理しても頑張っても、自分は自分。
だったら、いろいろ問題もあるけど、先ずはそれをそのまま受け容れる。
そして、自分に出来ることを一つひとつやっていく。
その時に少し、”亡己利他”(瀬戸内寂聴さんがよく言われていた言葉)の視点を持つことだと思っています。
生きる上でのヒントを与えてくれるに”ロゴセラピー”があります。
『夜と霧』の著者ヴィクトール・フランクルが始めました。
-ロゴセラピー(ヴィクトール・フランクル「夜と霧」)
自己肯定感と自己効力感について(古宮昇氏が約1時間インタビューに答えて)
最近では、YouTubeやワイドショーのコメンテーターなど、これまでにない活動に挑戦している中川翔子。もともとブログで人気を得てブレイクした彼女は、今年で芸能生活20周年を迎えた。だが、その道のりは決して平たんではなく、「何度も芸能活動をやめようと思った」と振り返る。10代のころから、なかなか自分を肯定できなかった。30代のいま、“黒歴史”だと思っていたことが、仕事に生きていることに気付いた。「もう、自虐はしない」、そう決心した胸の内を聞いた。
■10代の自分に「死なないでくれてありがとう」、過去が未来の私を助けてくれた
2002年に芸能活動を開始し、今年20周年を迎える中川翔子。歌手活動をはじめ、タレント、女優、声優活動、近年ではYouTubeにワイドショーのコメンテーターなど、その活動は多岐にわたる。
なかでも『劇場版ポケットモンスター』シリーズや、『塔の上のラプンツェル』など、声の芝居には定評がある彼女。最新作、映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』(3月11日公開)では、初の母親役であるエメラルダ女王の声を務めた。
「私にとっては節目となる、芸能生活20周年の年。この年に、子どもたちが初めて観るような映画に携われたことも嬉しいです。しかも、初めての母親役…!『ポケモン』も『ラプンツェル』もですが、そういった作品に携わったことで、若者たちから『子どものころ作品を観ていました』って言われると、『エア子育て、成功してるじゃん!』って思います(笑)。『しまじろう』でも、少しでも子どもたちの夢のお手伝いになればという気持ちでした」。
中川が歌う主題歌は、「君のまんまが いいんだよ」(Youtube)。作詞作曲を手掛けたのはヒャダインだ。歌詞のなかには、ありのままの自分でいることの大切さ、尊さが綴られている。中川自身、10代のころ自身を肯定できなかった時期があった。だからこそ、胸に突き刺さるというのだ。
「メッセージが最高なんです。まさに、自己肯定感アップの魔法の歌。消えたいな、とか悩んでばかりいた10代のころの自分に、いま何て言ってあげればいいかと考えるのですが、やっぱり『君のままでいいんだよ。生きていてくれて、死なないでくれてありがとう』って言いたい。つらかったとき読んでいた漫画や、絵を描くこと、そのすべてが未来の私を助けてくれているんです」。
同作は中川にとって21作目のシングルリリースとなる。多方面で活躍している中川だが“歌”というのはどんな位置づけなのだろうか――。
「曲ができるたびに、コンサートをするたびに『これが最後だ』という覚悟で臨んでいたら、20年経っていました。正直こんなに続くとは思っていませんでした。何度も芸能活動をやめようと思った時期もあったけれど、歌があって良かった。特にアニメソングって日本語のまま通じるので、年齢も国籍も超えてみんなと一緒になれるんですよね。いまはコロナ禍で難しいですが、いろいろな国に行けてみんなが歌で元気になれる。歌っていいなと思いました」。
■芸能活動の岐路に立つたび現れた“神”、多彩すぎる仕事にはモヤモヤも
「何度もやめようと思った」という芸能活動。常にエンタテインメントの第一線で活躍しているように感じられるが、20年という道のりは山あり谷あり、かなりの険しい道だったという。そんなとき、手を差し伸べてくれる“神”のような存在に出会って踏ん張ることができたという。
「最初、私はジャッキー・チェンさんの事務所に入ったのですが、すぐに仕事がなくなってクビになったり、オーディションを受けても落ちまくっていたり…。もうやめようかなと思っていたら、偶然ピンチヒッターで起用されたロケで、憧れの漫画家・楳図かずおさんとご一緒して。こんな、地下で生きているどうしようもない私にも神対応をしていただき、『もう一度頑張ろう』と思えたんです。その後も、芸能活動を続けていたら、ジャッキー・チェンさまに会えて、抱きしめてくださったり…。すごく落ち込んでいるときに、神様のような方と出会えて素敵な言葉をいただけることが多く、なんとかここまでやってこられた感じなんです」。
多彩であるからこそ、毎日違うジャンルの仕事をする日々に不安もあった。「自分はなんの人なんだろう?」という思いは常に心のどこかにあったが、そんなモヤモヤも、人との出会いで「それでいいんだ」と肯定的になれたという。
「北乃きいちゃんと旅番組でご一緒したことがあったんです。きいちゃんも女優さんとして活躍する一方で、情報番組のMCなどもやっていたじゃないですか。彼女自身、いろいろな葛藤はあったようなのですが、アメリカに留学したとき、向こうの女優さんは歌もバラエティもなんでもやるのを知って、吹っ切れたそうなんです。私に対しても、『いろいろなことをやっている中川さんは素敵です』って言ってくれて。そのときにパッと開けたというか、モヤモヤが晴れました。
歌についても、曲によって声が変わってしまうので『中川翔子らしさってなんだろう?』と悩んでいたのですが、ヒャダインさんが『中川翔子節がちゃんと出ているから大丈夫だよ。あなたはアニソンのお姉さんとして、子どもたちに歌を伝えているんだから』と言ってもらえて腑に落ちたんです」。
■ラクな自虐にはもう頼らない、「自己肯定感って絶対必要」
映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』(C)Benesse Corporation 1988-2022/しまじろう
現在は情報番組『ひるおび!』(TBS系)のコメンテーターとして、社会問題などにも言及することがある。
「まさかこんなオファーをいただけるとは、思っていませんでした。扱うものもコロナ禍の話や、政治の話、殺人事件など、社会性の高いものも多く、しかも生放送。怖いなと感じることもあるのですが、それ以上にすごくやりがいがあるので楽しいです」。
短い時間で要点をまとめ、視聴者に伝えなければいけない。そこで役に立っているのが、中川が好きだと思って接してきたものたち。
「語彙力って何から得られたのかなと考えたんです。私は中学生のときに絵を描くことが好きだったのですが、描いた絵をキモイと言われて『ダメだ』と思ってしまった。そのとき母親が芸能コースのある高校を探してくれて、そこに行ってから、いろいろな人がいて風通しが良くなったんです。私が描いた絵も、ヤンキーのギャルが『絵、うめえじゃん!』と言ってくれたりして、『あー、私も息していいんだ』って。
それでも学校に行けない日もあって、そんなときは古本屋さんに行って小説をだけ買って帰っていたんです。そのとき読み漁った小説の文章が、いま役に立っているような気がします」。
『ひるおび!』のコメンテーターだけではなく、YouTubeを含む中川の活動は、すべて幼少期から「好きだ」という気持ちでやってきたこととリンクしているという。
「私は『この仕事をするためにこれをやろう』という考えはないような気がします。18歳くらいまで、ただ好きだからとやっていたことが、ありがたいことに仕事に繋がっている。当時は黒歴史だなと感じていながらも没頭していたことが、人に届けられ、それを見た人がなにかを感じてくださっている…。とても不思議なことでもあり、ありがたいなと思っています」。
好きなことを思い切り表現し、それに賛同してくれる人がいる。そんな状況は、中川自身の心境にも大きな変化をもたらしているようだ。
「以前は褒めてもらえると、つい『私なんて』とか『こんな地下に生息する人間なんで』みたいに、自虐的な言葉で返してしまっていたんです。その方がラクですからね。でも、それは必要のないことなんだなと思うようになってきました。自虐にも言霊が宿るから、本当にやめた方がいいなと。先ほども『君のまんまが いいんだよ』という歌の歌詞で触れましたが、自己肯定感って絶対必要だと思うんです。だからこそ、もう自虐はしない。自分以外の人に対しても、思ったことはちゃんと口にして褒めようと強く実感しました」。
映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』には、相手を思いやる気持ちや、しっかりと尊重し褒めることの大切さが描かれている。
「私はしまじろうと誕生日が一緒なので、常に気になる存在だったんです。それが今回、こうしてご一緒できるなんてまさに運命です。誰かを褒めることの大切さが描かれていますし、子どもだけでなく大人も涙腺崩壊する映画。これを観た子どもたちが大きくなって、『この映画、子どものころに観たんです』と言ってくれるのは、20年後ぐらいかもしれない。だから私も、40周年を迎えられるくらい頑張ろうと思っています」。
(文:磯部正和)
感想;
自虐にも言霊が宿るから、本当にやめた方がいいなと。先ほども『君のまんまが いいんだよ』という歌の歌詞で触れましたが、自己肯定感って絶対必要だと思うんです。
マンガ「バカボン」によく出てくる言葉「これでいいんだ」
無理しても頑張っても、自分は自分。
だったら、いろいろ問題もあるけど、先ずはそれをそのまま受け容れる。
そして、自分に出来ることを一つひとつやっていく。
その時に少し、”亡己利他”(瀬戸内寂聴さんがよく言われていた言葉)の視点を持つことだと思っています。
生きる上でのヒントを与えてくれるに”ロゴセラピー”があります。
『夜と霧』の著者ヴィクトール・フランクルが始めました。
-ロゴセラピー(ヴィクトール・フランクル「夜と霧」)
自己肯定感と自己効力感について(古宮昇氏が約1時間インタビューに答えて)