平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「聖地」としての明治神宮外苑~内苑と外苑は陰と陽の関係にある

2024年07月07日 | その他
 開発問題で話題の明治神宮外苑。
 ここは『呪術的な聖地』なのである。

 なぜなら、ここは元青山練兵場で、明治天皇の大喪がおこなわれた場所。
 現在の聖徳絵画記念館の裏には、明治天皇の御遺体が置かれた『葬場殿址』がある。
 …………………………………………………………

 内苑(明治神宮)と外苑は対をなしている。

・内苑~明治天皇を祀る場所=『死』
 外苑~明治天皇の功績をたたえる場所=『生』

・内苑~シイ、カシなど常緑樹=『陰』
 外苑~イチョウなど葉が落ちる広葉樹=『陽』

・内苑~伝統的な神社の森・日本庭園=『伝統』
 外苑~西洋建築を中心とする西洋式庭園=『モダン』

・内苑~神社を中心に樹木が内に向かっている=『求心的』
 外苑~まん中がぽっかり開いて樹木が外に向かっている=『拡散的』

 ちなみに
 現在、内苑だけが献木で造られたと主張する人がいるが、これは勘違い。
 外苑も明治の人々の献木で造られている。
 ……………………………………………………………

 では、上記のことをgoogle・earthの地図で具体的に確認してみよう。

 
 ※左の森が明治神宮。右が外苑。
  現在は千駄ヶ谷小学校などがある道路になっているが、内苑と外苑は裏参道で繋がっている。

 
 ※クローズアップした外苑
  完全な西洋庭園ですね。
  新国立競技場・神宮球場・秩父宮ラグビー場が確認できる。
  まん中、上にある、左右対称の石の建物が聖徳絵画記念館。
  その下に公園(野球グラウンド)があり、公園の下からまっすぐに伸びている線が、
  有名なイチョウ並木。

 
 ※聖徳絵画記念館
  明治天皇の生涯が日本画と西洋画で紹介されている。
  有名な『大政奉還』や『勝海舟と西郷隆盛の会談』の日本画もここに展示。
  聖徳絵画記念館の裏にある丸い部分が『葬場殿址』
  大きな楠(くすのき)が立っている。


 というわけで、
 こうした『聖なる空間』に高層ビルを建てるのはどうなんだろう?
 明治の人々の思いが込められた樹木を伐るのはどうなんだろう?
 老朽化した神宮球場とかの建て替えは仕方ないとは思うけど。

 ちなみに外苑は『風致地区』。
 自然や景観を大切に保存しなければならない地区だ。
 つまり高層の建物を建ててはいけない場所。
 鎌倉や京都の景勝地に高層ビルがないのはそのため。

 では、なぜ外苑だけ高層ビルを建てることが承認されたのか?
 ここから先は政治の話になるので別の機会に。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする