はるごとに ながるるかはを はなとみて をられぬみづに そでやぬれなむ
春ごとに 流るる川を 花と見て 折られぬ水に 袖やぬれなむ
伊勢
春が来るごとに流れる川を花とみて、その枝を折ろうとしても折れない水に袖が濡れるのであろうか。
川辺に梅が咲いていて、その花が川面に映るのを見て、川そのものを花と見たてている歌。見立てとしては珍しいもののようです。川の水に花が映り、その花を摘もうとしたり枝を折ろうとして袖が濡れるというのは情景としても心情としてもわかる気がしますが、毎年春が来るたびにそれをしているというのは、個人的には正直余り共感を覚えることができないですね。まだ私の読みが浅いのかな?