漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0060

2019-12-29 19:48:16 | 古今和歌集

みよしのの やまべにさける さくらばな ゆきかとのみぞ あやまたれける

み吉野の 山べに咲ける 桜花 雪かとのみぞ あやまたれける


紀友則






 吉野の山辺に咲く桜花を、雪と見間違えてしまったよ。

 吉野山は雪の多いところとしても知られており、そのため、山のほとりに咲く桜を雪かと見間違えたという歌。「だからなに?」という気もします(苦笑)が、当時の人々からすると、吉野の桜を見て雪かと思ったというのはいかにもありそうなこと、言わば「吉野山あるある」だったのでしょう。