さくらばな さきにけらしな あしひきの やまのかひより みゆるしらくも
桜花 咲きにけらしな あしひきの 山のかひより 見ゆる白雲
紀貫之
山の谷間から白雲が見えている。どうやら山では桜が咲いたらしい。
見立てと言ってよいのかどうかわかりませんが、山と山の間から見えている白雲から桜を連想し、桜の開花を推定している歌。最初に読んだときには、実際に咲いている桜を見てまるで白雲のようだと、逆に桜を白雲に見立てた歌かと思いましたが、桜花が「咲きにけらし」ですから、作者は桜を実際には見ておらず、咲いたのであろうと推測しているだけです。その推測の材料が白雲ということなのですが、まだまだ不勉強で今ひとつ良く理解できません。。。