漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0264

2020-07-20 19:19:52 | 古今和歌集

ちらねども かねてぞをしき もみぢばは いまはかぎりの いろとみつれば

散らねども かねてぞ惜しき もみぢ葉は 今は限りの 色と見つれば

 

よみ人知らず

 

 まだ散ってはいないが、その前から散るのが惜しまれる。このもみじ葉は今だけの美しい色を見せてくれていると思うと。

 紅葉の美しさが極まれるとき、それはまさにその葉が次の瞬間には散ってしまうことを意味していることに思いが馳せ、その思いが紅葉を一層美しく見せているのでしょう。心持ちに素直に共感できて、個人的にとても好きな歌です。^^