漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0266

2020-07-22 19:58:14 | 古今和歌集

あきぎりは けさはなたちそ さほやまの ははそのもみぢ よそにてもみむ

秋霧は 今朝はな立そ 佐保山の ははそのもみぢ よそにても見む

 

よみ人知らず

 

 秋霧よ、今朝は立ってくれるな。佐保山の柞(ははそ)の黄葉を遠くからでも眺めたいから。

 「ははそ」は、楢・くぬぎなど、ぶな科の樹木の総称で、美しく黄葉(「紅葉」ほどに色は濃くならない)する。0265 と同じく、佐保山の秋の霧がそれを隠すものとして歌われています。