漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0254

2020-07-10 19:11:42 | 古今和歌集

ちはやぶる かむなびやまの もみぢばに おもひはかけじ うつろふものを

ちはやぶる 神奈備山の もみぢ葉に 思ひはかけじ うつろふものを

 

よみ人知らず

 

 神奈備山のもみじ葉に思いを寄せるのはやめよう。色が変わって褪せてしまうのだから。

 美しい紅葉には思わず心をひかれてしまうが、すぐに色あせてしまってがっかりするのだから、それなら始めから思いを寄せるのはやめようという気持ち、「もみぢ」が密かにこころを寄せている異性の例えと解釈してみると、なかなかに切ない歌ですね。