はなみつつ ひとまつときは しろたへの そでかとぞのみ あやまたれける
花見つつ 人待つ時は 白妙の 袖かとぞのみ あやまたれける
紀友則
花を見ながら人を待っている時は、白菊の花が待ち人の白い袖かと見誤ってしまうよ。
詞書には「菊の花のもとにて人の人待てるかたをよめる」とあります。そういうかた(州浜)を見て、州浜で表現されている風景ではなく、今か今かと待っている人の気持ちになぞらえて詠んだ歌ですね。そこに咲いている白菊の花が待ち焦がれている人の服の袖に見えるとはいささか空想に過ぎるのでは・・・などと思うのは「無粋」というものでしょうか。 ^^;;