古今和歌集 0269 2020-07-25 19:40:47 | 古今和歌集 ひさかたの くものうへにて みるきくは あまつほしとぞ あやまたれける ひさかたの 雲の上にて 見る菊は あまつ星とぞ あやまたれける 藤原敏行 雲の上の世界である宮中で見る菊は、天空の星とも見まごうものであった。 宮中を天上世界に、そこに咲き誇る菊をあまたの星と見立てた歌。左注によれば、作者がまだ昇殿が許されない身分であったころに召し出された際に詠んだとあります。当時の作者にとっては、宮中はまさに雲の上の世界であったのでしょう。