古今和歌集 0581 2021-06-02 19:33:47 | 古今和歌集 むしのごと こゑにたてては なかねども なみだのみこそ したにながるれ 虫のごと 声にたてては なかねども 涙のみこそ 下に流るれ 清原深養父 虫のように声を出しては泣かないけれど、心の中では涙が流れているのだよ。 「下」はここでは「内部」「内心」の意。恋に苦しむ自身の状況をシンプルに詠んでいますが、周囲を憚ることなく声をたてて鳴ける虫をうらやむ気持ちも含んでの詠歌でしょうか。