漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0593

2021-06-14 19:10:12 | 古今和歌集

よひよひに ぬぎてわがぬる かりごろも かけておもはぬ ときのまもなし

よひよひに 脱ぎてわが寝る 狩衣 かけて思はぬ 時のまもなし

 

紀友則

 

 宵ごとに脱いでから寝る狩衣を衣桁にかけるように、あの人のことを思わないことは片時もない。

 「狩衣」は普通は「かりぎぬ」と読みますが、ここでは「かりごろも」。歌語として使われるときはこちらの読みとなることが多いようです。
 ここから、撰者である紀友則の歌が四首、さらに紀貫之の歌が三首続きます。