なつむしを なにかいひけむ こころから われもおもひに もえぬべらなり
夏虫を なにか言ひけむ 心から われも思ひに 燃えぬべらなり
凡河内躬恒
自ら火に飛び込む夏虫のことを、どうしてはかないものなどと言ったのだろうか。私自身も思いの火に燃え尽きてしまいそうだ。
恋の思いに焼かれる自身を、自ら火に飛び込んでいく夏虫に準えての詠歌。同じく夏虫の儚い運命をモチーフとした 0544、0561 も改めて味わいたいですね。
一日一首の古今和歌集、600番まで辿り着きました。ご来訪いただける皆さんに改めて感謝申し上げます。どうぞ引き続きおつきあいください。