大鷹狩り
しもがれの くさばをうしと おもへばや ふゆのののべは ひとのかるらむ
霜枯れの 草葉を憂しと 思へばや 冬野の野辺は 人のかるらむ
大鷹狩り
霜枯れの草場に陰鬱な気持ちになるからであろうか、冬の野辺から人が離れて行く。
第五句の「かる」は「狩る」と「離る」の掛詞になっています。表題が「大鷹狩り」ですので、草葉の枯れた冬の狩場に狩りに興ずる人々が散っていく様子の屏風絵なのでしょう。
015、016 に「小鷹狩り」を詠んだ歌がありましたが、こちらは「大鷹狩り」。コトバンクには「鷹の雌を使って、冬行なう狩。鶴、雁、鴨、兎などをとらえる。」とあります。小鷹狩りと大鷹狩りはしばしば対として詠まれたようで、このあと 110 と 111、233 と 240、529 と 533 にその例が登場します。