漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0329

2020-09-23 19:25:41 | 古今和歌集

ゆきふりて ひともかよはぬ みちなれや あとはかもなく おもひきゆらむ

雪降りて 人もかよはぬ 道なれや あとはかもなく 思ひ消ゆらむ

 

凡河内躬恒

 

 私の思いなど、雪が降って人も通わない道のようなものなのだろうか。降り積もる雪に消えてしまう足跡のように、そこにあったこともわからず消えてしまうのだろう。

 救いのないほどの孤独と絶望。「雪の降れるを見てよめる」という詞書からは、この歌が作者の実際の境遇・思いなのか、降り積もる雪の情景からの想像の歌なのかはわかりませんが、繰り返し読むほどに切ない気持ちにさせられます。

 

 



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