漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 248

2023-12-20 06:17:57 | 貫之集

京極の権中納言の屏風の料の歌、二十首

はるがすみ たちぬるときの けふみれば やどのむめさへ めづらしきかな

春霞 立ちぬるときの 今日見れば 宿の梅さへ めづらしきかな

 

京極の権中納言のための屏風歌、二十首

春霞が立って立春となった今日見ると、わが家の庭の梅さえも新鮮に見えるよ。

 

 「京極の権中納言」は藤原兼輔(ふじわら の かねすけ)のこと。267 まで二十首収録されていますが、256 に「夏」とあり、そのあと「秋」「冬」と詞書が付されています。そうなると、本来この 248 には「春」の詞書があるべきと思われますが、欠落してしまったのかもしれません。
 兼輔は「中納言兼輔」の名で百人一首(第27番)に採録された歌が著名ですね。新古今和歌集(巻第十一「恋一」 第996番)にも入集した名歌です。

 

みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ

みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ



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