漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0452

2021-01-24 19:36:56 | 古今和歌集

さよふけて なかばたけゆく ひさかたの つきふきかへせ あきのやまかぜ

さ夜更けて なかばたけゆく ひさかたの 月吹きかへせ 秋の山風

 

景式王

 

 夜が更けて、なかば西に傾きかけた月を吹き戻しておくれ、秋の山風よ。

 「たけゆく」は「長けゆく」で盛りを過ぎること。「ひさかたの」はいろいろな言葉に掛かりますが、ここでは「月」に掛かる枕詞ですね。隠し題は「なかばたけゆく」に詠み込まれた「かはたけ」です。
 作者の景式王(かげのり の おほきみ)は第55代文徳天皇の孫にあたる人物。古今集には本歌と 0786 の二首が入集しています。勅撰集全体で見ても入集はこの二首のみのようです。



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