貫之集 420

野山に花の木掘れり

やまのには　さけるかひなし　いろみつつ　はなとしるべき　やどにうゑなむ

山野には　咲けるかひなし　色見つつ　花と知るべき　宿に植ゑなむ

 

野山で花の木を掘る

山や野では、花が美しく咲いてもその甲斐がない。花を見て素晴らしいと人に思ってもらえるように、家の庭に植え替えよう。

 

　せっかくの美しい花も、人気のない野や山で咲いているのでは意味がない、とする発想ですね。