貫之集 076

かへるかり　わがことづてよ　くさまくら　たびはいへこそ　こひしかりけれ

帰る雁　わがことづてよ　草枕　旅は家こそ　恋しかりけれ

 

故郷へ帰る雁よ、私の伝言を伝えておくれ。旅に出ると本当に家が恋しくなるのだと。

 

　「草枕」は「旅」にかかる枕詞。漢の武将が敵対する国に捉えられた際、雁の脚に手紙を付けて故郷へ送ったとされる故事を踏まえての詠歌です。

 

　今日から７月。もう今年も半分過ぎてしまいました。月並みですが、年々早くなっていくように感じる時の流れには驚くばかりです。