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ダシール・ハメットの Red Harvest(1929年)読了(邦題『赤い収穫』)。
コンチネンタル探偵社サンフランシスコ支局の私立探偵(operative =「オプ」)が一人称の「私」で語るストーリー。
依頼を受けてやってきたのは Personville という街。鉱山で栄えてきた街は労働争議を機にいつしか荒れ、ならず者たちが幅を利かせる様はまさに Poisonville という別名の方がふさわしい。街に来るなり依頼者が殺され、その後の連中の扱いにブチ切れた「私」は、依頼者の父親でかつての街の実力者を担ぎ上げ、街の大掃除に乗り出す。
黒澤映画『用心棒』にも影響を与えたとされるこの作品。派手なドンパチはその後のアメリカのアクション映画を彷彿させる一方で、登場人物の台詞はどれも淡々として簡潔。無駄のないその語り口は、これぞハードボイルドという感じがする。
Dashiell Hammett,
Red Harvest
(Kindle)
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