「丸井今井」一条館。
最近は買い物目当てで行くことはなくなりましたが、30数年前、私が中学生の頃は、何階だったか忘れたけれど、本屋さんが入っていたので、そこに立ち寄って本を探したこともありました。
今回久しぶりに来てみたのは、こちらのイベントが目当てでした。
と言いつつ、開催されているのは、もう一つの「大通館」の方だったりするのですが、実は、今からちょうど150年前の、明治5年(1872年)5月1日は、この「丸井今井」の創業の日だったのです。
「丸井今井」の創業者である「今井藤七」氏は新潟県の出身で、米穀商の三男として生まれましたが、明治4年(1871年)に故郷を離れて北海道へとやってきました。その際、父親から「相場変動が激しい米には手を出すな」と言われたこともあり、翌年、創成川のほとりに小間物店(日用品を扱うお店)を開業し、それが、今に至る「丸井今井」の起源となっています。
その二年後には呉服店を開店して小樽、室蘭、函館、旭川と店舗を拡大し、「商売は人のためになるものでなければならない」との考えのもと、顧客を大切にする経営方針を前面に打ち出して人気を集めました。
「丸井」の「井」は「今井」の「井」を用いた屋号であり、顧客の人気と信頼を得ていく中で、いつしか「丸井さん」と呼ばれるようになったそうです。
今でも、北海道民、とりわけ札幌市民は、他のデパートと違い、丸井だけは「丸井さん」と「さん」付けて呼ぶ人が多いことで知られていますが、そのルーツはこういうところにあったのですね。
その「丸井今井」と同じ「三越伊勢丹ホールディングス」となっている「三越」。
こちらも、大人になってからは長いこと中に入っていませんでしたが、実はこの「札幌三越」も、今日5月1日が開店記念日で、丸井今井の創業から60年後の昭和7年(1932年)に札幌での営業がスタートしています。
「三越」といえば、江戸時代から続く伝統あるお店で、東京の日本橋を中心とする、当時でも国内一流の百貨店ということで、それが札幌にやって来るということで、狸小路をはじめとする周辺の店舗からは大々的な反対運動が起こりました。それについては、今では同じグループ会社である丸井今井も「競争は発展の母である」として、全社員一致団結して迎撃作戦を展開していたそうです。
現在、三越の店内でも、90周年を記念する展示イベントが開催されているのですが、そちらは写真撮影NGでしたので、関連HPにリンクを貼ります。
丸井の方は5月9日(月)まで、三越の方は5月8日(日)までの開催です。
こちらは大々的なイベントはやっていないのだけど、両店の近くにある「大丸藤井セントラル」も今年創業130周年だそうで、店の入口でこうしたPRが行われていました。
大丸藤井セントラルは文房具のお店ということで、ロゴマークは文房具を模ったものとなっていますが、丸井と三越のロゴマークは、北海道の先住民族であるアイヌ民族の文様を模ったものとなっているそうです。詳しくはこちらをご覧ください。