カレンダーは今日から10月、今年も残り3か月。東京株式市場は、半年で9.5%も下落中です。しかし、そろそろ買い時になりつつあるようです。「フラッシュ・クラッシュ瞬間的暴落」の動きも収まりつつあります。昨日あたりからアルゴシステムを使った本格的な買戻しが入り始めたようです。元々中国株式暴落に端を発した人為的な下げ誘導ですから、戻りは早くなります。大局的には日銀が金融緩和を続けていれば市場にはお金が余っています。株や資産価値の高い不動産が上がり預金は不利になります。この前提に立てば株式暴落は買いです。ただどれもこれも戻りだすわけではないので株式の選択は重要です。筆者も偶にこのパターンに嵌り傷つきます。作戦は当たって流れ弾で負傷するパターンです。しばらくは好むと好まざるとに関わらず中国経済の動向が世界の中心ですが、中国本土市場はしばらく国慶節連休のため休場。8日から取引再開。
以下コピー 中国の株価下落をきっかけに世界中の株価が乱高下している。アベノミクスの登場以来、着実に上昇してきた株価が変調をきたすなかで、「こんな状況では資産運用ができない」と頭を抱えている人も多いだろう。だからといって預金に退避を続けることはできない。いま物価が上がっていないのは、たまたま原油価格の大幅下落の影響が出ているだけだ。日銀は金融緩和を続けているから、いずれ物価上昇率はプラスに戻る。そうしたなかで、預金だけの資産運用をしていたら、確実に目減りしてしまうからだ。
株式投資の大原則は、「安い時に買って、高い時に売る」ということだ。ところが多くの個人投資家が逆を行ってしまう。市場が盛り上がったところで買い、下がったところで持ちきれなくなり、損切りしてしまうのだ。私は、いまの相場は割安だと思う。PBR(株価純資産倍率)という指標がある。企業の解散価値の何倍の時価総額がついているかという数字だ。8月末の東証1部のPBRは加重平均で1・3倍だ。世界の株式市場では、平時で2倍程度だから、日本の株価は割安といえる。(獨協大教授・森永卓郎)