巨人軍は来季優勝を絶対目標と掲げ、50億円とも言われるなりふり構わぬFA補強ですが、冷静に分析すると果たして、思惑通りにいくのか疑問です。丸の加入で巨人が戦力アップしたのかというと3番には今季はマギーが座り、84打点。丸はMVPこそ2年連続で獲得していますが、広島カープの総力で取った感じです。打点も、97打点で、マギーと13打点差でしかないし、看板選手坂本内野手とは差があります。なにより打率360のお得意巨人を失うのが痛い。広島カープの選手層の厚さ、人的補償保証でプロテクト漏れの流出を考えると思惑通りに行く保障はありません。「ゴーゴー大作戦」は箱根駅伝だけではありません。
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原巨人のなりふり構わぬ金権補強は、ついにセ・リーグの王者、広島の主力、丸佳浩選手(29)の獲得にたどりついた。目先の優勝のためには、すぐれた選手はカネで引き抜く、という姿勢だが、優勝できなかったら、こんなに恥ずかしいことはないような――。
事実、さる球界関係者は、
「元中日監督の落合博満さんは、“選手をかっさらっている球団があるけど、来年も広島が優勝します”と断言していました。この華やかな話題のせいで、他チームの目が広島よりも巨人に行き、対広島以上にエースをぶつけてくるだろうから、というのが理由。なるほど、と思いましたね」と打ち明ける。だが、いまさら言うまでもないが、この時期の巨人の補強は、あくまでも来年の優勝に照準を合わせてのことだ。巨人担当デスクは、「この4年間、一度もリーグ優勝できず、来年優勝できなければ、巨人のワースト記録を塗り替えてしまう。投資をして、なんと言われようと勝たなければいけないのは、当然といえば当然なのですが」
と語るが、であればこそ自身を補強しながら、同時に王者広島を弱体化できる丸の獲得に、遮二無二突き進んだというわけだ。
だが、今年も打率3割6厘、39本塁打を打った丸は、2年連続のセ・リーグMVPであり、守りにも優れて6年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得した。さすがに、
「育成一本やりで、主力を引き抜かれても乗り越えてきた広島でも、今回は松田元(はじめ)オーナーが異例の引き留め発言。資金力に乏しいなか、4年17億円という破格の提示をしていました」