巨人・原監督が、来季の投手陣に「危機管理ローテーション」を敷く方針を示した。「A投手が(1軍で)投げるときに(次に1軍に近い投手をファームで)投げさせる状況にしておけば、仮にA投手がこけた場合に、“さあいこうじゃねえか”というふうになる」と私案を披露していますが、来季の投壊を予言しているような発言です。先発ローテーション投手について「理想は5枚」としながら日程を加味し「たぶん6人で回ることになると思う」と話す。順当にいけば、菅野投手や山口俊投手に加え、新加入の岩隈投手は当確となる可能性が高い。しかし、メジャーで来季、必要とされなかった岩隈投手に期待しすぎです。巨人は内海投手が抜け、今季より投手力は落ちる。さらに丸選手の人的補償として、若手投手もしくは左腕先発候補が広島カープに移籍すればさらに投壊に繋がります。対する広島カープ、菅野投手のような完投型の抜けたエースは不在ですが、ジョンソン投手・大瀬良大地投手・野村祐輔投手・九里投手や岡田投手など完投は難しいがコマは揃っています。巨人はコマは多いほど良いとビックネーム頼りですが、ポジションが重複し、フル出場出来ない。必要なところに人材を補強している堅実な広島カープが4連覇する可能性の方が高いでしょう。来年の開幕カード広島―巨人(マツダスタジアム)3連戦がシーズン優勝の試金石になるでしょう。
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広島の顔として長年チームを引っ張ってきた丸佳浩が今オフに巨人へFA移籍した。同一リーグの宿敵・巨人に移籍しただけに広島にとって大きな痛手だ。今季は打率・306、39本塁打、97打点。球団史上初の2年連続セ・リーグMVPにも選ばれた。リーグ3連覇と黄金時代を築いた広島に不可欠な中心選手だった。そんなスーパースターが巨人に電撃のFA移籍。来季はセ・リーグの勢力図が大幅に変わる可能性があるが、意外にも?丸が抜けた広島を来季の大本命に予想する声は少なくない。
元中日監督の落合博満氏はスカパーの表彰式に出席した際に、「4連覇する可能性は非常に高い」と分析。野球評論家の張本勲氏も最優秀バッテリー賞の表彰式で、「丸が抜けても広島は大丈夫。記録に出ない走塁がありますから優勝に絡んでくる」と野球の質の高さを強さの理由に挙げた。
今季の総得点は広島が721点に対し、巨人が625得点。丸が広島から巨人に加入したことで数字上は縮まる計算になるがそうとも言い切れない。機動力に関してさらに差が開く可能性があるからだ。今季のチーム盗塁数は広島の95に対して巨人は61。丸は今季10盗塁に対し、野間が17盗塁だった。打線全体で得点を取る能力は長けているだけに、野間が定位置をつかめばお家芸の機動力を前面に出した野球でさらに進化する可能性が十分にある。 投手陣は今季チーム防御率4.12と先発陣のやりくりに苦労した。大瀬良大地が15勝7敗、防御率2.62とエースに成長し、ジョンソンは11勝5敗、防御率3.11、九里亜蓮(くり・あれん)が8勝4敗、防御率4.26と及第点の活躍だったが、他の先発陣は不本意な数字だった。野村佑輔が7勝6敗、防御率4.22、岡田明丈が8勝7敗、防御率5.09。薮田和樹は昨年15勝と大ブレークしたが、今年は2勝のみと大誤算だった。岡田、薮田、中村祐太らが先発ローテーションの一角として1年間稼働すれば、救援陣にも負担がかからずさらに白星の上積みが期待できる。巨人の大型補強は野手に偏り、投手陣の目立った新戦力は元マリナーズの岩隈久志のみというのも広島にとっては追い風だ。
もちろん巨人が例年以上に手強い相手であることは間違いない。広島は巨人に直接対決で今季17勝7敗1分と15年から4年連続カード別で勝ち越している。来年の開幕カードは広島―巨人(マツダスタジアム)。本拠地で広島が勝って勢いに乗るか、巨人が「今年は違う」と一泡食わせて開幕ダッシュに成功するか。来季の命運を握る戦いになるかもしれない。