ソフトバンク上場による調達金額は約2兆6000億円と、国内で史上最大規模。世界でも、アリババ集団が2014年、米ニューヨーク市場上場で記録した史上最高額に次ぐ規模となった。2006年にボーダフォンを2兆円かけて買収してから12年で2兆円を回収し、さらに6500億円の利益です。しかし、孫正義氏の財テクの罠に引っかかった個人投資家は、ニューヨークダウ下落で年末にかけ凍死家です。
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上場したソフトバンクの株価は19日、公開価格比15%安の1282円と安値引けとなった。投資家にとっては約4000億円の損失となった一方、過去最大の資金調達を成し遂げたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の「大勝利」との見方もある。
初値は1463円となり、公開価格(1500円)を2.5%下回った。売買代金は東証1部で1位。親会社のソフトバンクGの終値は前日比0.9%安だった。
記者会見した宮内謙社長は「残念ながら株価は少し下がった」と述べたほか、「マーケットがどう反応されたのか真摯(しんし)に受け止めて、ここをスタート地点として企業価値向上に努めて参りたい」と話した。孫氏からも「非常に素晴らしいアドバイスを頂いている」という。
需要に応じて追加するオーバーアロットメントを含む売り出し株数で算出した調達額は2兆6500億円と1987年のNTTを抜き、過去最大だった。DZHフィナンシャルリサーチによれば、今年の日本のREIT(不動産投資信託)を含む上場は86社で初値が公開価格を下回ったのはソフトバンクで12社目。
同社の田中一実IPOアナリストは、株価下落はソフトバンクGの孫社長の「大勝利を意味する」と指摘。「実際の価値よりも高い値段で売り、超過利益を得ることができたのは、孫氏の高い交渉力であり、引き受け証券の販売力だろう」とした上で、負けたのは個人投資家を中心にした「買い手」だと話した。
ソフトバンクGは、2006年におよそ2兆円を投じ英ボーダフォン・グループから日本法人を買収、国内の携帯電話事業に参入した。上場により、10年余りを経て、資金回収した格好だ。上場は世界規模で投資を進める親会社と通信事業の役割や価値を明確に分けるという狙いもある。