『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

日本発・新次元ワクチンデザインの可能性①

2021-06-13 06:18:01 | 日記
日本人はコロナによる危機に瀕しても一体感がない。何故なのか?日本の間接的な民主主義の政治体制がこうした構造を 
生み出しているのかもしれませんね。コロナワクチンに対して日本の現状は一年遅れの状況だったのですが、6月1日には
閣議決定で政府が国産ワクチン開発から生産、買取りまでフルサポートをすることになったので開発が速く進むことを期
待しますし、日本の科学者ならば期待に応えてくれるはずです。日本発・新次元ワクチンデザインの可能性は不定期に2
回に分けて掲載します、あしからず。
以下抜粋コピー

新型コロナワクチンを巡って、国際的にみると日本で接種のスケジュールや国産ワクチン開発の遅れに苛立ちや不安を
感じている人も多いだろう。国内ではファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンが承認され、当面はファイザー
モデルナ製が使用される一方で、国内ではバイオベンチャーのアンジェスや製薬大手・塩野義製薬などが臨床試験を進め
ている。そんな中、東京大学医科学研究所の感染免疫部門の石井健教授(ワクチン科学分野)は、第一三共と新型コロナ
ワクチンの共同開発を進める。ファイザー、モデルナ製と同様にウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質をつくるため
遺伝情報を伝達する物質「mRNAワクチン」を国内で初めて採用した。病原体に合わせて素早く設計できる特徴がある。
石井教授は、新興感染症に備えるため、いちはやくRNAワクチンを使用したモックアップワクチン(模擬ワクチン)
の開発を政府に提言し2016年より研究を進めてきた。ワクチンの効果を高めるため一緒に投与される物質「アジュバント」
や代替免疫療法の研究にも注力しており、新次元ワクチンのデザイン構想をもつ。石井教授は、今後の鍵は「ヒト免疫の
多様性の理解とワクチン設計にある」と指摘する。一体、どういうことなのだろうか。新次元ワクチンのデザインとは。

一年遅れの日本の治験 今後は?

──まず、第一三共とのワクチン共同開発の現状について教えてください。
7、8年前からRNAワクチンの共同研究をしていましたが、2018年には政府から臨床試験のための予算をカットされ
今回のパンデミック前には治験まで進めることはできませんでした。ですが、研究自体は細々と続けてきたので
去年3月から日本の医学研究ファンドからサポートを受け、第一三共と東大医科学研究所で新型コロナワクチン開発
を進めています。ことし3月22日から臨床試験が始まり、1相/2相(第一段階と第二段階を同時に進めるもの)です。
健康な20~60歳の152人にワクチンを打って安全性を確かめています。今年前半に終われば、第3段階の臨床試験に
迅速に進むことを期待しています。それが無事終われば、厚労省に承認申請をする流れです。実は第3相は、後発の
ワクチンはなかなかやりにくい現状があります。感染が実際に起きている地域でプラセボ(治験で使われる有効成分
を含まない偽薬)とワクチンを半分ずつ数万人規模で打ち、数カ月間の変化をチェックしますが、ワクチン接種が
進めば感染者数が減ると効果が分かりづらいためです。去年は世界のメガファーマが治験を進めてきましたが、日本
の現状は一年遅れの状況です。6月1日には閣議決定で政府が国産ワクチン開発から生産、買取りまでフルサポート
をすることになったので各メーカーがより速く進められることを期待しています。

──国産ワクチンが必要な背景と、今後超えていくべき課題とは。

ひとつは、国産ワクチンはパンデミックにおいて自国民を守る、国防につながるという意味があるということ。
今回、そのリスクが露呈しましたが、国内で安全なワクチンが提供できる環境は必須だと考えます。2つ目は
日本国内ではワクチンのマーケットは小さいですが、今回、中国やロシアなど世界の動向を見ると外交のツール
になるということが認識されました。これまで日本では輸出しようと考えていませんでした。えぐい外交ツール
ではなく、ピュアな国際貢献のツールとして世界の健康を守り、公衆衛生を保つため輸出国になり得るのです。
最近では製薬企業や行政機関にもこの考え方に賛同する人が増えてきたと感じます。一方、日本ではワクチン
を打つ利益よりもリスクの方が重大視されがちで、「ワクチン忌避」の傾向が強くあります。その反対の状況
を「ワクチンパニック」と言いますが、いまはお年寄りの接種予約に殺到するなどこの様相が見られます。
徐々に流れはいい方向に変わりつつありますが、ワクチン接種直後に亡くなられる方もおり、因果関係はなく
とも「ワクチンのせいじゃないか」と疑われる事案が発生するでしょう。専門用語で「紛れ込み」と言います。
その報道が問題視された場合、再び「ワクチン忌避」に移行するリスクがあるので、冷静に対応することが必要です。
MERS対策の「模擬ワクチン」 モデルナ、がん治療に切り替えが奏功

──2016年から石井教授が展開された「モックアップワクチンプロジェクト」について教えてください。

研究者は、次にどんな感染症がパンデミックになるリスクがあるか、世界各地の数十種類の危険性のあるウイルス
を把握するリストを持っています。そこで模擬の抗原を用いたワクチンが模擬ワクチンです。実際にパンデミック
になった場合、その抗原をウイルスの型に変えれば数週間で数万人規模のワクチンが製造でき、各政府や軍隊
医師などを先行して接種することで感染症地域に派遣できます。ワクチンの製造には、鶏の卵や細胞培養などの
手法もありますが、DNAやRNAを構成する方がすぐ作れるため、私たちは戦略的にRNAを採用しました。
私はかつてより政府に模擬ワクチンの必要性を提言しており、2016年からプロジェクトはスタートしましたが
最初にお伝えしたように、18年には政府から数億円かかる臨床試験の予算がカットされました。

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