米株投資家は、14日発表の1月消費者物価指数(CPI)を受けて相場が下落する可能性に備えている。同統計は米金融当局が望むような形でのインフレ緩和は示さないと予想されている。
ブルームバーグがまとめた1月総合CPIの市場予想は、前年同期比6.2%上昇への減速が見込まれている。食品とエネルギーを除いたCPIコア指数は前月比0.4%、前年比5.5%上昇の予想。
しかし、同月のガソリン値上がりや中古車価格の突然の上昇により、過去数カ月続いたインフレ減速の流れは中断する可能性がある。物価の伸び鈍化を背景にS&P500種株価指数は昨年10月の安値から14%反発している。
ラッファー・テングラー・インベストメンツのナンシー・テングラー最高投資責任者(CIO)は「インフレはピークに達した公算がかなり大きく、物価は下がる傾向にあるが、直線的に下がる訳ではない。それで問題はない」と語った。
昨年はCPI発表日に米株相場が大きく動き、S&P500種は12回のうち7回で下落。ブルームバーグのデータによると、過去6カ月ではCPI発表日のS&P500種変動率は平均で上下に約2.6%と、2009年以来の高水準となった。
「米金融当局がタカ派モードである限り、相場のボラティリティーは続くだろう」とサスケハナ・インターナショナル・グループのデリバティブ(金融派生商品)戦略共同責任者クリス・マーフィー氏は指摘。「CPIが市場予想を上回れば、市場では売りが優勢になるだろう」と述べた。
一方、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によれば、予想を下回った過去2カ月のCPIに対する相場の反応は比較的穏やかであり、米株市場はインフレ減速をすでに織り込んでいる可能性もある。
前出のテングラー氏は「予想を上回るCPIに市場はネガティブに反応するかもしれないが、それは長期投資家にとっては買い場を提供することになる」と指摘。同氏は1-3月(第1四半期)の調整局面はいずれも買いの好機だとみている。
今が買い場なのか、最後の逃げ場なのか神のみぞ知る世界です。