中国経済が大幅に減速している。同国に依存する企業の業績見通しが損なわれており、世界の株式運用者は身構えている。
中国の不動産低迷がシステミックな危機に発展する恐れもある中、今年最も有望と考えられていた中国関連の投資が裏目に出ている。これまでのところ株式相場の急落は中国に集中しているが、同国の需要動向による影響を受ける企業も多い欧州や米国、他のアジア諸国の株式に対する圧迫は強まっている。
レイリアント・グローバル・アドバイザーズで最高投資責任者(CIO)を務める許仲翔氏は、「率直に言って、世界全体が中国と切っても切れない関係にある。大手のグローバル企業にとっては販売先が中国だったり、調達先が中国になったりしている」と指摘。「こうした企業は中国からの向こう1年の売り上げを大幅に下方修正しなければならないだろう」と話す。
中国にはマイナス材料が相次いでおり、15日発表された7月の経済指標は軒並み予想を下回ったほか、シャドーバンキング(影の銀行)大手の中植企業集団が顧客への支払いを停止し、不動産開発大手の碧桂園は公募債でデフォルト(債務不履行)に近づきつつある。これを受け、中国経済の先行きを巡る投資家や企業、消費者の見方も急速に悪化している。
こうした懸念から、香港や中国本土の株価指数は18日、昨年11月以来の安値を付け、ハンセン指数は弱気相場入りした。中国はなお世界のサプライチェーンで主要な地位を占めており、欧州や米国でも投資家の心理に影響が及び始めている。
※中国全体の債務はいくらなのか?
今年2月の4条対中審査において、2023年における中央政府、地方政府、地方融資平台の債務は、それぞれ29兆元(580兆円、対GDP比23%)、40兆元(800兆円、対GDP比32%)、66兆元(1320兆円、対GDP比53%)、政府ファンド16兆元(320兆円、対GDP比13%)と推計されている。政府系債務は151兆元(3020兆円、対GDP比121%)にもなる。体制を維持するため、元を更にばらまき、元安がさらに進めば債務は天文学的な数値になるでしょう。