『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「頭はいいのに、結果が出ない人」「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」稲盛和夫氏原因は?

2023-11-17 07:59:30 | 日記
稲盛和夫氏の人生観、仕事観を一つの「方程式」に表した、「人生・仕事の方程式」というものがあります。
 それは、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というものです。つまり、人生の結果、また仕事の結果は、その人がもっている考え方、つまり哲学に、その人がもっている熱意、そしてその人がもっている能力を掛け合わせた値で表されるというふうに考えたわけです。
 私は長年、この方程式に基づいて仕事をしてきました。またこの方程式でしか、私自身の人生や、京セラの発展を説明することはできないと考えています。
私は、決して裕福でない家に生まれ、中学や大学の入学試験、そして就職試験にもことごとく失敗してきました。そのように、多くの挫折を経験した、人並み程度の「能力」しかもたない私が、人並み以上のことを成し遂げるにはどうすればいいのだろうか、と考えた末に見出したのが、この方程式なのです。
 人生の結果、または仕事の成果を表すこの方程式の三つの要素、「考え方」「熱意」「能力」の中で、「能力」は多分に先天的なものです。両親から授かった知能や運動神経、あるいは健康などがこれにあたります。
 天賦の才とも言える、この「能力」を点数で表現しようとすれば、個人差があるため、それこそ、〇点から一〇〇点まであると言えるでしょう。
 この「能力」に、「熱意」という要素が掛かります。この「熱意」とは、「努力」と言い換えてもいいのですが、これに関しても、やる気や覇気のない無気力な人間から、仕事や人生に対して燃えるような情熱を抱き、懸命に努力をする人間まで、やはり個人差があります。この「熱意」も同じように無気力な人が〇点とすれば、燃える闘魂で誰にも負けない努力をする人は一〇〇点というように幅があります。
 この「能力」と「熱意」を点数で表してみましょう。例えば、健康かつ優秀で、「能力」が九〇点という人がいるとします。この「能力」九〇点の頭が良く、良い大学を出た人が、もし自分の能力を過信し慢心し、真面目に努力することを怠るなら、その人がもっている熱意は三〇点くらいのものになるでしょう。すると能力九〇点に熱意三〇点を掛けても、二七〇〇点にしかなりません。
 一方、「自分は平均より少しだけマシな程度で、能力は六〇点ぐらいだろう。しかし、抜きん出た才能がないだけに、必死で生きていこう、必死で努力をしていこう、がんばっていこう」と自分に言い聞かせ、情熱を燃やし、ひたすら努力するような人であれば、「熱意」はまさに九〇点となるでしょう。そうすると、六〇点掛ける九〇点で、五四〇〇点と、先ほどの能力が高いが努力しない人の点数、二七〇〇点と比べると、もう倍の結果が出てくるわけです。
つまり、平凡な「能力」しかもっていなくても、努力をひたむきに続ければ、能力の不足を補って、能力をもった優秀な才能にあふれた人の倍の成果を収めることも決して不可能なことではないのです。
 そして、この方程式で最も大事なことは、この「能力」と「熱意」の積の値に、さらに「考え方」が掛け算されてくるということです。
「能力」や「熱意」が〇点から一〇〇点まであると言いましたが、この「考え方」には、悪い考え方から良い考え方まで、マイナス一〇〇点からプラス一〇〇点までの大きな振れ幅があるということです。
 例えば、自分の苦労を厭わず、「他に良かれかし」と願い、一生懸命に生きていくような「考え方」はプラスですが、世をすね、人を妬み、まともな生き方を否定するような「考え方」はマイナスの考え方だと、私は考えています。
 そうすると、掛け算ですから、プラスの「考え方」をもっていれば、人生・仕事の結果は、さらに高いプラスの値となりますし、逆に少しでもマイナスの考え方をもっているだけで、その方程式の答えは一気にマイナスの結果となってしまうのです。「能力」があればあるほど、「熱意」が強ければ強いほど、人生や仕事において、大きなマイナスという無残な結果を残すことにもなってしまうのです。
 先ほどの例で言えば、六〇点の「能力」と九〇点の「熱意」の持ち主が、人間として正しく、九〇点の「考え方」の持ち主であれば、方程式の値は、六〇×九〇×九〇で、四八万六〇〇〇点という、すばらしく高いものとなります。
プラスの考え方とは?
 常に前向きで、建設的であること。また、みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性をもっていること。明るいこと。肯定的であること。善意に満ちた心をもっていること。思いやりがあって、優しいこと。真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。利己的ではなく、また強欲ではないこと。
「足る」を知っているということ。そして、常に感謝の心をもっていることです。
 プラスの考え方とは、今言ったようなことを備えていることであり、ひと言で言えば、善き考え方であり、善い行いをすることです。
マイナスの考え方とは?
 一方、マイナスの考え方とはどういうものなのでしょうか。ちょうど、今挙げたプラスの考え方の対極に来る、いわば悪しき考え方であり、悪い思いをもち、悪い行いをすることでもあると考えています。これも、同じように列挙してみたいと思います。
 後ろ向き、否定的、非協調的。暗くて、悪意に満ちて、意地が悪く、他人を陥れようとする。不真面目で、うそつきで、傲慢で、怠け者。利己的で、強欲で、不平不満ばかり言う人。人を恨み、人を妬む。こういったものが、悪い考え方ではないかと私は思います。
 もちろん、それ以外にももっとたくさんあると思いますが、自分の考え方がはたして、プラスなのか、それともマイナスなのか、つまり善きものなのか、悪しきものなのかということを、日々反省を繰り返しながら、少しでもプラス方向、つまり善き考え方をもつように心がけていくことが、「人生・仕事の方程式」の結果を最大にすることになると私は思っています。
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