『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「タリフマン(関税男)」トランプ次期政権、対中強硬エスカレートで貿易戦争は必至

2024-11-11 05:06:09 | 日記
 トランプ流のディール外交は、米中関係に波乱をもたらす可能性が高い。
米国のトランプ次期大統領は、「タリフマン(関税男)」を自称する。2017~21年の第1次政権では、関税を武器に各国との貿易交渉で「ディール(取引)」を迫った。特に狙い撃ちにしたのが中国だ。その姿勢は、大統領選で一段とエスカレートした。
 「中国に60%の関税をかける」
 第1次政権では、知的財産権の侵害を理由に3700億ドル(約55兆円)相当の中国製品に最大25%の関税を課した。選挙集会では、それをはるかに上回る関税を一律に課すと繰り返しアピールした。安価な中国製品の流入で米国の雇用が失われたと不満を抱く白人労働者層に響くと見定めたからだ。
 大統領選の公約にあたる共和党綱領には、中国に対し、関税などで他国と同じ貿易条件を保障する「最恵国待遇」を撤廃すると盛り込まれた。これらの政策が実行されれば、「第2次貿易戦争」の勃発は必至だ。
 トランプ氏の外交・安全保障や通商分野のブレーンには、対中強硬派がずらりと並ぶ。その筆頭格は、通商代表部(USTR)代表への再起用などが取り沙汰されるロバート・ライトハイザー氏だ。第1次政権で貿易戦争の陣頭に立った。
「石破首相は中国に厳しいのか」
 ライトハイザー氏は9月下旬、旧知の外交関係者にこう尋ねた。トランプ氏の復権を見据え、日本が足並みをそろえて中国に強硬な態度をとるのかどうか探る狙いがあった。
 次期政権の布陣は対中シフトになる公算が大きい。国務長官候補には、親台派のマルコ・ルビオ上院議員らの名前が挙がる。
 もっとも、トランプ氏が重きを置くのはあくまでも貿易面での損得勘定だ。貿易交渉で譲歩を引き出せるのであれば、中国が統一をもくろむ台湾ですらディールの材料になるとの懸念がくすぶる。過去には、「台湾は米国の半導体事業を盗んだ」「米国は保険会社のようなものだ。台湾は我々に防衛費を払うべきだ」と発言したこともある。
 トランプ氏は10月、中国が武力統一を試みた場合の対応を問われると、「関税を150~200%に引き上げる」と答えた。だが、米軍の介入に関しては一貫して回答を避けており、バイデン大統領が軍事介入を何度も明言したのとは対照的だ。民主主義陣営の台湾を守るという決意はうかがえない。
 中国は、トランプ氏につけいる隙があるとみているようだ。
 7月20日、米中西部ミシガン州での集会。トランプ氏は暗殺未遂事件後、 習近平(シージンピン) 国家主席から「美しい手紙」を受け取ったと明らかにした。習氏について「賢い男だ」「鉄拳で14億人を支配している」とも付け加えた。民主主義と共産主義の対立が根にあり、ディールは当面、難しいだろう。
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「トランプ時代」❝中国製品に一律60%関税、外需が中国景気のけん引役なることは難しい❞

2024-11-11 03:42:09 | 日記
「トランプ時代」の再来で中国の貿易環境はどうなるか 関税の動きは不透明だが、人民元相場も「ディール」となり、外需による景気回復は難しくなる
 米国大統領選では共和党のトランプ前大統領が勝利した。ここ数年米中関係は厳しさを増しており、米国は中国に対して追加関税を課すなどの動きを強めてきた。トランプ氏は中国製品に一律60%の関税を課すほか、保護主義的な主張を繰り返してきた。他方、トランプ氏は「ディール」を重視する姿勢をみせるなかで主張がそのまま現実化するかは見通しにくい。ただし、欧米などに加え、新興国のなかにも中国製品に追加関税を課す動きが広がりをみせており、中国の輸出を取り巻く環境は厳しさを増すことは避けられない。
 このところの中国の輸出は「中国包囲網」を掻い潜る駆け込みの動きがみられたほか、米大統領選でのトランプ氏優位が伝えられるなかでその傾向が強まった可能性がある。10月の輸出額は前年比+12.7%と伸びが加速しており、幅広い財、かつ国・地域向けで輸出拡大の動きが確認されており、駆け込み的な動きが影響したとみられる。一方、中国の内需の弱さや商品市況の調整の動きが輸入の重石となり、10月の輸入額は前年比▲2.3%と前年を下回る伸びとなっている。習近平指導部が目指す製造強国を目指す動きは継続する一方、先行きの生産活動の鈍化が懸念される動きもみられる。足下の企業マインドは景気刺激策を好感して改善しているものの、こうした動きが息の長いものとなるかは不透明な状況にあると捉えられる。
 米FRBの利下げを受けた米ドル安で人民元相場は底入れしたが、足下では米ドル高の再燃により頭打ちに転じている。人民元安は輸出の追い風となる一方、トランプ政権は為替操作を理由に交渉材料とする可能性がある。人民元高は景気刺激策の効果を相殺するほか、外需の足かせとなる懸念もくすぶる。トランプ次期政権の出方を注視する必要があるが、外需が中国景気のけん引役となることは難しいと予想される。
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