大手テーマパークとして知られる東京ディズニーリゾートのチケット料が値上がりを繰り返し、日によっては1万円を越す日も現れた。その結果として、他世代と比較してお金のない若者にとって行きにくい場所となり、「若者のディズニー離れ」が生じている……という。
オリエンタルランドが公開しているファクトブックを見ると、「大人(40歳以上)」の層が大きく増加しているのに対し、「中人」(12歳から17歳)「小人」(4歳から11歳)」は減少している。
もうひとつの層である「大人(18~39歳)」は、安定している。只、データ範囲がなかなか広いため、「若者」の定義が曖昧なこともあって判断しずらい。
だが、全体としては、以前より来場者の年齢層が上昇の傾向にあるのは、間違いないだろう。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、コロナ禍での大幅な来場客の減少を経て、“量”を入れて収益を取る方向から、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に転換することを公式に発表している。来場者を限定し、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に舵を切ったのだ。
裏返していえば、廉価で多くの客を入れる方向から、少数精鋭の客により多くの消費をしてもらうのだ。ディズニーランドも、多くの人に開かれた「夢の王国」から、ひとり数万円の出費が可能な人向けの「現実の王国」になっている。
業績は、2025年3月期の上半期の決算では、売上高が期初予想の2579億円に対し、実績が2387億円と、192億円ほど下振れ、入園者数も期初予想を下回った。オリエンタルランド側は理由に「リベンジ消費の落ち着きなどによる旅行需要の減少による減」「猛暑による減」などをあげているが、ネット上では「高くなって、庶民には行きづらくなったからでは?」という指摘も出ている状況だ。金持ち、外国人観光客しか行けない「現実の王国」になってしまったのだろうか、筆者は年間パスポートで謳歌した時代が懐かしい。