『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

New Yorkダウ361.24ドル安「FRBインフレ高止まり=政策金利が高止まり」ショック安を警戒

2023-08-16 06:06:17 | 日記
15日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落。終値は前営業日比361.24ドル安の34946.39ドルとなった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めにするとの観測が後退する中、米長期金利が上昇傾向を強めると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストが「大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性がある」と警告したことも投資家心理を冷やした。
中国景気の減速懸念が強まったうえ、米金融セクターを取り巻く不透明感が米株相場全体の重荷となった。米長期金利の上昇も株式の相対的な割高感につながり、幅広い銘柄に売りが出た。
 15日発表の中国の7月の工業生産高などの経済指標が軒並み市場予想を下回った。同日には中国人民銀行(中央銀行)が期間1年の中期貸出制度(MLF)金利を引き下げた。中国の不動産大手の経営不安も浮上しており、同国経済の先行き不透明感が高まった。
処で、アメリカのインフレは本当に落ち着いたのだろうか。筆者は「インフレが今後も高止まりを続ける可能性があり、FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを継続するリスクは消えていない」と考える。 
FRBは7月25~26日の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年5.25~5.50%とした。 
7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が和らぎ、買いが優勢となっている。
 CPIの上昇率はエネルギー・食品を除くコアが前年同月比4.7%とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(4.8%)を下回った。前月比では0.2%上昇と6月から横ばいで、市場予想に一致した。次回CPI(消費者物価指数)が発表になるのは(8月分は9月13日)。インフレの鈍化が示されたとして、市場では次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとの観測が広がった。
 もっとも、コア指数の前年比の上昇率はFRBが目標とする2%に比べてなお高い。CPIは総合で前年同月比3.2%上昇と市場予想(3.3%上昇)を下回ったが、6月(3.0%上昇)より伸びが加速。上昇率の鈍化が13カ月ぶりに止まり、政策金利が高止まりする可能性も意識される。
FRBは1回の経済発表の結果だけで金融政策を判断することはない。だが、6月分に続いて7月分や8月分も予想を下回る低い伸びが続くならば、政策を変更する十分な理由になる。その際は、9月FOMCで初めて今回の利上げ局面が終了した可能性が高いことを示唆するかもしれない。あわせて、ドット・チャートと呼ばれるFRB高官の金利予想の中間値も0.25%引き下げ、現状の5.25~5.50%に合わせることもありうる。
一方で、消費者物価指数が再び予想を上回り、「インフレが高止まりするリスクが高まった」との見方が強まれば、FRBは「FOMC会合ごとにデータを見て金融政策を決定する」との従来の方針を維持、次回の9月かその次の10月31~11月1日の会合で0.25%の追加利上げに踏み切る可能性もあると見ておいたほうがよい。
では、なぜ筆者はインフレ圧力がこのまま後退するよりも、むしろ再び高まり、「FRBが追加利上げを打ち出さざるをえなくなる可能性がある」と見ているのか。
6月のCPIが株価大幅上昇のきっかけとなったのは、とくにコア指数や住居費やサービス価格など、いったん上がるとそう簡単には下がらないと見られていた分野の伸びまでもが大幅に鈍化したことがサプライズになった。
だが、これは「ベース効果」とよばれる、前年の上昇分がきつすぎて発射台が高くなったために、低めの数字が出たという部分が大きい。具体的に言うと、2022年6月のCPIは総合指数が前年比で9.1%と、今回の物価上昇局面で一番高い伸びを記録した。
これは昨年2月24日にロシアがウクライナへ侵攻したことを受けて商品価格高騰の影響が、一番大きく表れた結果だった。
今回の数字は、ここからさらに物価がどれだけ上がったのかを見ることになるわけだから「伸びが低くなるのは当然」だ。昨年は7月以降、エネルギー価格の急落が主導する形で、急速に物価の伸びが鈍った。今後は逆にベース効果が薄れていく中で、前年比での伸びが強まる可能性の方が高くなると見ておいたほうがよい。
もちろん警戒すべきは、ベース効果だけではない。8月1日の「アメリカ国債格下げショック」前の7月20日にも長期金利が大きく上昇したが、背景にあったのは早朝に発表された失業保険申請件数だ。予想に反して22.8万件に大きく減少、雇用市場が依然として力強く推移しているとの見方が改めて強まったことだとされている。
雇用が好調さを維持する限り、賃金上昇圧力も簡単に後退することはなく、サービス価格などの押し上げ要因となる可能性が高い。この先インフレ見通しが改めて高まる可能性が高いと思える。
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第64期王位戦七番勝負 第4局 藤井聡太王位vs佐々木大地七段

2023-08-15 05:39:50 | 日記
本日、2023年8月15日(火)の午前9時から第64期王位戦七番勝負 第4局 藤井聡太王位vs佐々木大地七段の対局が2日制で佐賀県嬉野市の和多屋別荘にて行われます。
又、藤井聡太竜王への挑戦を目指し、14日に東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局・永瀬拓矢王座-伊藤匠六段戦は伊藤七段が146手で勝利した。伊藤は竜王挑戦の規定により、七段に昇段。自身初のタイトル戦で同い年の藤井に挑む。 2連勝で伊藤六段はタイトル初挑戦を決めた。竜王戦七番勝負は藤井聡太竜王との同学年対決となる。 
藤井竜王への思いの変遷はと聞かれ?
 「小学校の対戦はほとんど記憶にないが、常に藤井竜王を追いかけてここまでこれたのかなという気がしている。自分を引き揚げてくれた存在と思っています」と語った。
★ 昼食は両者、和多屋別荘内の「日本料理利休」から藤井が角煮御膳、佐々木が刺身御膳を選んだ。 
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❝アンチエイジング治療etc.❞70代を幸せに生きるための和田秀樹さんからのメッセージ

2023-08-14 06:16:18 | 日記
70歳をすでに迎えている人もまだ先の人も、70代を若々しく、幸せに生きるためのすべを心得ておきたいものです。ここでは、「老後の不安がみるみるうちに消えていく」以降、精神科医・和田秀樹さんのアドバイス。

個人差が大きい70代

80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、70代の過ごし方にかかっているとわたしは考えています。
わたしがこれまで接してきた高齢者の多くの方に共通するのが、60代までは気にならなかったことが、70歳を過ぎるとどんどん増えてくるということです。体力は言うに及ばず、気力もそうですが、そういったことが見た目にもあらわれて、同じ70代でも個人差が顕著になってきます。
はたして、自分はどのようになっていくのでしょうか。これまでの人生を振り返れば、60歳からの10 年などあっという間のことだと思います。実年齢よりも若い70代となるのか、はたまた老け込んだ70代となるのか、これから描く70歳の地図もこれまで接してきた多くの先輩たちの姿が参考になります。 

興味をもち、挑戦し続ける

70歳ともなれば、誰でも体力や集中力が以前と比べて衰えてしまい、意欲面での低下は避けることはできません。しかし、老いを自覚したとしても、からだが動くうちはやりたいことをどんどんやって、自分の生きたいように生きるべきだとわたしは常日ごろより自分に言い聞かせています。
というのも、わたしは、幼少期からADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向があり、一つのことに集中できずいろいろなことに興味がわいてしまい、未知のものだとしても気になったことはすべて挑戦してきました。
このような傾向は幼少期にとどまらず、大学時代は医学部にいながらフリーライターとして、雑誌を中心にさまざまな取材、執筆活動をしていました。そうした経験が、医師としてのいまの仕事や作家としての執筆、映画監督としての活動に大いに役立っているのですが、プライベートにおいても同様です。さまざまなことに対し関心は尽きません。ですから、わたしは70代になってもできるかぎり、少しでも興味のあることには挑戦し続けていくつもりです。

年齢を理由にして諦めない

70歳を過ぎたからといって、隠居して老け込むにはまだまだ早すぎます。
「もう、いい年なのだから」と、年齢を理由にいろいろなことを諦めてしまうと、80歳になったときには、できることがほとんどなくなり、やりたいという気力すら消えてしまうでしょう。70代はまだまだ頑張れば中高年とほとんど変わらないぐらいの体力、知的機能を保つことができるのです。
たとえば、アンチエイジングの治療は、80代になるとボトックスやヒアルロン酸の注入ではなかなか外見の衰えを補いきれませんが、70代であれば、かなり若々しい自分に戻ることができます。
日本ではなぜか美容医療やアンチエイジングの治療にネガティブなイメージをもつ人が多いのですが、治療を受けることで若々しさを保つことができて、気持ちまで前向きになれるのでしたら、ためらわずに試してみるべきです。
役者や歌手といった特別な人たちだけがいつまでも若々しくいられるのではなく、わたしたちも少しの意欲をもって取り組めば、70歳を過ぎてもダンディーな男性、おしゃれな女性でいられるのですから、やはり年齢に関係なく、チャレンジしていくことはいくつになっても大切なことといえます。

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マウイ島の山火事❝米本土逃れて老後はハワイ…という夢も自然の猛威に焼失❞

2023-08-13 05:27:32 | 日記

ハリケーンの強風に煽られてマウイ島の山火事が古都ラハイナに飛び火。ラハイナで2200棟超が損壊、あっという間に一面の焼け野原になってしまいました。ハワイを通過したときハリケーン「Dora(ドラ)」の威力はカテゴリ4でした。ハワイは乾季に入るシーズン。しかも今年は例年より偏西風が弱く、水不足で地面や草木がカラカラに乾燥して、いつ発火してもおかしくない状況だったこともわかっています。   マウイ島の山火事では繁華街のラハイナに壊滅的な被害がでていて、まだ鎮火には至っていません。 沿岸警備隊は、火が街を襲った8日におよそ100人が火から逃れるために海に飛び込んでいたとみられると明らかにしました。その後、海上で17人を救助していて、現在も捜索を続けているということです。
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❝鄧小平・改革解放45年で逆流❞中国への直接投資が急減、「支柱」失う人民元

2023-08-12 05:36:21 | 日記
 中国は1978年に当時の最高指導者、鄧小平の改革解放政策で海外直接投資(FDI)に門戸を開いた。以来、外国企業は市場へのアクセスと安価な労働力を手に入れるために数千億ドルを投じて中国で事業買収や工場建設を進め、こうした投資資金の流入が人民元の支えになってきた。
中国への直接投資は緩やかに減っていたが、今年第2・四半期にそのペースが急速に加速、25年前の統計開始以来の水準に落ち込んだ。長年の基調が変化しつつあるとの観測が広がっている。
企業の幹部などによると変化は現在進行形で、設備投資決定の背後には長期にわたる政治的懸念がある。つまり人民元は、最も強力な支えの1つだった直接投資から、今では圧力を受けている形だ。
調査会社ロジウム・グループの中国市場調査部長、ローガン・ライト氏は、「FDIは長年、為替レートを大きく変動させる要因ではなかった。年500億ないし1000億ドルの流入超過が普通だったからだ」と説明。「しかしそれが今のように流出超過に転じると、かなり大きな調整だ」と話す。
中国国家外貨管理局(SAFE)が先週発表した統計によると、中国の海外直接投資は第2・四半期、対内投資が49億ドル弱に減少した一方、対外投資が増え、純流出が過去最高の341億ドルに達した。
投資家やアナリストによると、対内直接投資が落ち込んだのは、中国と西側諸国の間の競争や政治的摩擦を巡って企業が神経をとがらせた結果だ。すでに貿易や投資の制限、外交関係の悪化が起きている。
事情を知る関係者によると、バイデン米政権は今後数週間内に新たな対中投資規制を導入する可能性が高い。日本、米国、欧州はすでに中国企業向けの先端半導体製造装置の輸出を制限し、中国が報復として希少鉱物の輸出を制限している。
外交面の緊張の高まり以外にも、中国は3年間にわたる厳格な「ゼロコロナ政策」による検疫や都市封鎖で企業からの信頼が低下していた。
中国政府の一部産業に対する規制や取り締まり、米コンサルティング会社への家宅捜索も不安をあおり、企業は次の狙い撃ちはいつ、どこかと不安にさいなまれている。「中国に投資したいという顧客は1社もいない」と話すのは法律事務所ブハルターの株主ジョン・ラミグ氏。「中国の事業を売却するか、もしくは中国で製品を調達しているのであれば別の調達場所を探しているかのどちらか」で、「状況はほんの5年前と比べても様変わりしている」 
オックスフォード・エコノミクスのアナリストによると、現地法人を一から作るグリーンフィールド投資は何年間も減少基調で、2010―11年の年1000億ドル前後が22年にはわずか180億ドルに落ち込んだ。この種の投資は、先を見据えて投資するムードを最も良く映し出すものだ。
<大きな決断>
対中直接投資は長年にわたり、世界貿易の確固たる一部と見なされてきただけに、その急減は地殻変動への不安を呼び、注目を集めている。
気まぐれな金融資産投資と異なり、企業の設備投資は周期的ではあるが、企業が生産基盤を確立して拡大するにつれてより粘り強く安定したものとなる傾向がある。つまり直接投資が揺らげば経済に大きな影響が及ぶ。
為替相場への圧力はすでに顕在化している。SAFEの最新統の統計によると、中国の銀行を通じた対外直接投資のためのドル購入額は今年に入って一貫して、対内直接投資のための人民元購入額を上回っており、その結果、海外直接投資は6カ月連続で流出超過となっている。
こうした傾向は商務省の統計にも表れており、1─5月の対内直接投資は5.6%減少し、過去3年間で最大の減少幅を記録した。
ドルが他国で下げているにもかかわらず、人民元相場は年初から対ドルで約4%下落した。人民元を支えているのは、レートを一定のレンジ内に誘導する中銀の措置と、国営銀によるスポット市場での買いだけだ。
投資の流れは頻繁に変わるのは事実で、多くの企業が中国から完全に撤退しているわけでもない。
靴下メーカーの幹部によると、この企業はコロナ規制と関税で打撃を受け、長江デルタ地帯の海寧からペルーへと生産拠点を移すことを検討したが、品質と価格の面で中国に及ばなかったという。
香港のBNPパリバ・アセット・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、チー・ロー氏も、こうした資金の動きは人民元相場の方向性を決める一因に過ぎず、人民元は堅調に推移する可能性があるとの見立てだ。
それでもデータからは、中国で生産能力を増強するのを中止したり、回避したりする企業がかなりの数に上ることが分かる。こうした決定は、今後数年間の資本フローの基調を決めるものだ。
ベーカー・ドネルソンのリー・スミス氏は、「政治的なムードが西側企業の中国離れを後押ししている」と指摘。「顧客の多くは中国を唯一の供給国としてしまうことに懸念を抱いている」と話した。
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大谷翔平ベーブ・ルース越え「2ケタ勝利&2ケタ本塁打&2年連続」

2023-08-11 05:46:27 | スポーツ
 エンゼルス・大谷翔平投手(29)が9日(日本時間10日)、本拠地・ジャイアンツ戦に「2番・投手、DH」でフル出場し、6回3安打1失点(自責0)の好投で10勝目(5敗)を挙げた。「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」を2度達成するのは史上初の快挙。ベーブ・ルースですら1918年に1度しか達成できなかった偉業を昨季に続いて2年連続クリアした。
  大谷が投打の二刀流で好成績を残し続ける裏には、変化を恐れず進化を止めない貪欲さがある。 
今季はシーズン前にバットやグラブなどの道具も新調。打撃フォームや投手としての調整法も日々試行錯誤し、常に最高の状態を追い求めている。飽くなき探究心が、前代未聞の道を進み続ける原動力だ。
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「さらば一帯一路」恩恵ないイタリア中国に冷や水...❝台湾へ支持を表明etcメローニ首相❞

2023-08-10 06:27:30 | 日記
ヨーロッパへの影響力拡大を目指してきた中国にとっては大打撃だ。イタリア政府が中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」からの離脱に向けて動き出したのだ。イタリアは2019年、G7(主要7カ国)で初めて一帯一路に参加していた。
13年に習近平(シー・チンピン)国家主席が一帯一路構想を提唱して10年という節目の年に、中国はメンツをつぶされた格好だ。「中国にとっては非常に屈辱的なこと」だと、米スティムソン・センターの中国プログラム部長、孫韻(スン・ユン)は言う。中国はヨーロッパの国、とりわけ西ヨーロッパの国が参加していることを誇りにしていたのだ。
これまでヨーロッパは、アメリカほど強い姿勢で中国に臨んでこなかった。特に経済面のデカップリング(切り離し)を強硬に推し進めてきたとは言い難い。しかし、風向きが変わり始めたようだ。
一帯一路は、中国のインフラ輸出を後押しし、さらには中国が地政学上の影響力を拡大させる手だてになってきた。
現在までに東欧諸国を中心にEU加盟国の3分の2が一帯一路に参加して、中国からの投資を呼び込み、自国経済のテコ入れを図ろうとしてきた。これらの国々の多くは、イタリアと同様、経済の不振にあえいでいて、中国からの投資が自国経済に大きな恩恵をもたらすと主張していた。
ところが、イタリア経済は一帯一路によって期待どおりの恩恵に浴せていない。中国側は総額28億ドルのインフラ投資を約束したが、イタリアに好景気は訪れなかった。
「19年当時は非合理な期待が高まっていた」と振り返るのは、米コンサルティング会社ローディアム・グループのノア・バーキン上級アドバイザーだ。「この取引は大きな恩恵をもたらさなかった」。バーキンによると、イタリアの対中輸出はほとんど増えず、中国からイタリアへの直接投資は大幅に減っている。
イタリア政府は、中国に厳しい姿勢で臨むようになっている。ドラギ前首相は昨年、中国への技術移転にストップをかけ、中国企業によるイタリア企業の買収もたびたび阻止した。
メローニ現首相は、もっと強硬だ。イタリアのタイヤメーカー、ピレリに対する中国企業シノケムの影響力を制限する措置を講じたり、台湾への支持を明確に表明したりしている。
テクノロジーをめぐる中国と西側の対立が激化するなかで、ほかのヨーロッパ諸国も中国との経済関係を見直すようになっている。
7月には、西側の対中輸出規制への報復として、中国が半導体素材のガリウムとゲルマニウムの輸出規制を打ち出した。こうした緊張関係の下、EUもアメリカと同様に、対中関係での「デリスキング(リスク回避)」に向けて動き始めている。
もっとも、具体的な措置については西側諸国の間でも足並みがそろっていない。「どれくらい大々的な措置を講じるべきかでは、明らかに考え方の違いがある」と、米外交問題評議会のリアナ・フィックス研究員は指摘する。
一帯一路が習の政治的なレガシーに不可欠な要素であることを考えると、イタリア政府の一帯一路離脱の方針が両国関係に影響を及ぼすことは避けられない。
スティムソン・センターの孫は言う。「中国の人々は、一帯一路を習の看板外交政策と見なしている。中国政府としては、今回の事態を放置するわけにはいかないだろう」
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❝第2のチャイナショック❞だけではない世界が熱波や豪雨の猛威・・

2023-08-09 08:30:32 | 日記
借金まみれの中国経済が苦境に立たされており、その規模から世界経済に与える影響が懸念されていますが、自然界でも猛威が世界を襲っています。北米、欧州、アジアなど世界が熱波や豪雨の猛威にさらされている。命に危険が及ぶ高温が続き、山火事や記録的な水害も発生。世界気象機関(WMO)のターラス事務局長は「地球温暖化の影響で異常気象の頻度は増しており、残念ながら『新たな日常』になりつつある」と警鐘を鳴らす。 米メディアによると、西部アリゾナ州フェニックスで18日、43.3度(華氏110度)を超えた日が19日連続となり、1974年の「18日連続」の最長記録を破った。
 米国では6月下旬以降、西部から南部にかけての広い地域で、熱が同じ場所にこもり続ける「ヒートドーム」と呼ばれる現象が発生。フェニックスなど各地で熱中症とみられる症状での死亡例が報じられている。
 山火事の被害も甚大だ。カナダ政府の関連団体によると、全国で現在、約900件の森林火災が起きており、うち6割は「制御不能」。煙は国境を越えてたびたび米シカゴやニューヨークに流れ込み、大気汚染を引き起こしている。
 一方、米東部では、バーモント州で今月9、10両日だけで2カ月分に相当する降雨を記録。ニューヨーク、ペンシルベニア両州などでも今月、洪水による死者が相次いだ。
 ◇欧州、過去最高更新か
 欧州では、スペインやイタリア、ギリシャなどが猛暑に見舞われている。2021年8月にイタリアのシチリア島で観測された欧州の最高気温48.8度が、近く更新される可能性もある。
  欧州は昨年も熱波が襲来し、医学誌に最近発表された研究によると、5月末から9月初旬にかけて6万人以上が高温の影響で亡くなった。比較的冷涼だった欧州でエアコンが普及していないことも、被害に拍車を掛けたとみられる。
 ギリシャではアテネ近郊などで山火事が収まらず、火の手は住宅地にも。スイス南部でも森林火災が続き、住民が避難を余儀なくされた。
 ◇中国「巨大サウナ」に
 アジアも猛烈な暑さに見舞われている。中国では北西部の新疆ウイグル自治区トルファン市では今年52.2度を観測。気象当局によると、7月中旬としては国内最高記録となった。地表温度は80度に達し、ネット上では「巨大なサウナのようだ」といった書き込みが見られた。
温暖化の影響を研究している英インペリアル・カレッジ・ロンドンのフリーデリケ・オットー上級講師は「温暖化により熱波の発生確率は高まり、より深刻化する。豪雨の確率も上昇する」と説明している。日本でも台風シーズンに入り8月から被害が拡大しそうな状況です。年末にかけては自然災害拡大、経済混乱も視野に入れるべきでしょう。
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『若者失業率急上昇』は❝一党支配の対価・繁栄という中国共産党と国民との社会契約を脅かす❞

2023-08-08 05:34:19 | 日記
中国の優秀な大学を出た若者が適切な就職が出来ず、世界経済を揺るがす存在になりつつあります。数年前、米国の政府や報道機関はこぞって、中国が技術系の卒業生を大量に流出させることで、米国の国家安全保障とまではいかないまでも、経済力が脅かされると国民に伝えていた。その卒業生は今や中国政府の悩みの種となっているようだ。中国国内で有意義な仕事を見つけることができないのだ。
中国では若者の失業率が急上昇している。この問題は、中国経済の潜在的な成長力、さらには一党支配と引き換えに繁栄をもたらすという中国共産党と国民との間の社会契約を脅かす水準にまで達している。
これは統計が物語っている。中国政府はデータが入手可能な最新の月である4月、16~24歳までの都市部の若年層の失業率が20.4%に達したと報告した。これは、新型コロナウイルスの流行にともなうロックダウン(都市封鎖)による昨年の最悪期の19.9%をも上回り、全国の失業率5.2%の4倍近い数字だ。この4月の数字には、今春大学や高校を卒業した数百万人は含まれていない。また、この統計では自身が取得した学位を必要としない職に就いている大卒者の現状が現れていないため、痛みの程度は控えめになっている。西安交通大学の李晓光教授が最近発表した論文によると、大学新卒者の4分の1に当たる数百万人がこのカテゴリーに分類され「不完全雇用」と呼ばれている。
中国の問題は自業自得だと言ってよい。近代的で技術的に発展した経済には何百万人もの大卒者が必要だと、政府が判断した結果なのだ。この種の問題は、中央集権的な計画経済ではよく起こり、市場経済でも中央当局が最新の妙案を押し付けようとする時によく起こる。
中国は現在、米国のように大卒者があふれている。米国とは違い、中国では当局が科学と工学に重点を置いた。だが現在、そうした技術系の卒業生が有意義な仕事を見つけられないでいる。一方で中国は、2025年までに製造業が必要とする雇用のほぼ半分に当たる3000万件の職が、意欲的な労働者不足のために埋まらないと予測している。これは計画経済当局者による失策だ。

中国政府はこの状況に潜む危険性に対し、新たな計画を打ち出した。国務院が4月、15項目から成る損害回復計画を発表したのだ。その中には、失業している大卒者を訓練する、いや、むしろ「再教育する」というべきものが含まれている。もう1つの努力は、政府のいうところの「大卒者の起業家精神」に対する国の支援を拡大することだ。当面の緊急対策として、国務院の計画では国営企業の雇用拡大も約束されている。
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❝米失業率3.5%前回から改善、平均時給前年比+4.4%❞S&P500ナスダックの下落再開?

2023-08-07 05:55:15 | 日記
米7月雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を下回る増加にとどまったことや、予想を上回る決算や強い見通しを発表したアマゾン・ドット・コムが大幅高となったことでNYダウは寄り付きから堅調に推移したが、決算が嫌気されたアップルが下落幅を拡大したことで取引終盤に利益確定売りが強まった。7月雇用統計は、NFPが18.7万人増と市場予想の20万人増を下回ったが、失業率は3.5%と前回の3.6%から改善し、平均時給は前月比+0.4%、前年比+4.4%と、それぞれ予想の+0.3%、+4.2%を上回る伸びとなった。

NFPが予想を下回ったものの、失業率が改善し、賃金の伸びが予想を上回ったことで金融政策の不透明感が強まったことも相場の重しとなった。ダウ平均は290ドル高まで上昇したが、150.27ドル安(-0.43%)と3日続落して終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.53%安、0.36%安で終了し、ともに4日続落した。週間では、ダウ平均が1.11%安、S&P500が2.27%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は2.85%安と反落。S&P500とナスダック総合の週間下落率は3月以来の大きさとなった。
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「中国反スパイ法」が改正され米国は国民に「不当に拘束されるリスクがある」「旅行の再考」

2023-08-06 05:28:12 | 日記
習近平国家主席が君臨する中国で7月1日、「反スパイ法」が改正された。従来の「国家機密」だけでなく、「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」の提供や窃取も取り締まりの対象とされた。定義が不明確で、恣意(しい)的な運用が加速される危険性が高まっている。
 法改正を受けて、米国務省は「中国への渡航勧告」を改訂し、国民に「旅行の再考」を求めている。一方、日本の外務省も注意を喚起してはいるが、いかに危険な国か、まるで切迫感が伝わってこない。 
米国は何を警告しているのか。
国務省は6月30日、ホームページで中国への渡航勧告を改訂した。4段階あるレベルのうち、もっとも強い「旅行するな」から、2番目の「旅行を再考せよ」という判定自体は従来と同じだったが、理由が変わった。これまでは「現地の法律が恣意的に執行されるリスクがある」だったが、今回は「不当に拘束されるリスクがある」に一段階強まった。実際に拘束される米国人が相次いでいるからだ。渡航勧告はこう明記した。 《ビジネスマンや元外国政府職員、学者、法的紛争に関係する中国市民の親戚、ジャーナリストなどが、国家安全保障法違反の疑いで中国当局によって尋問され、拘束されている。中国は中国に住んで働いている米国市民を尋問し、勾留し、国外追放した》 
これに比べると、日本の注意喚起はいかにも甘い。
反スパイ法が定めたスパイ行為の類型を紹介して、「注意する必要があります」などと記しているが、肝心の「多くの日本人が不当に拘束されている」という事実には一切、触れていない。
外務省の対中外交は、伝統的に中国に甘い「チャイナ・スクール」が牛耳っている。だから、中国に遠慮しているのだ。外務省は「一体、何人の日本人が拘束されているのか」という実態さえも発表していない。
米国務省の渡航勧告は続いて、こう記している。
《中国は文書やデータ、統計、資料などを国家機密とみなして、スパイ容疑で外国人を拘束し、起訴する幅広い裁量権を持っている。中国で事業を展開するデューデリジェンス会社などへの調査を強化した。当局は中国に批判的なメッセージを発信した米国市民を拘束、強制送還できる》
《中国は外国人に対する出国禁止措置を利用して、中国政府の調査に協力させたり、海外在住の家族に中国への帰国を求めて圧力をかける。中国市民に有利になるように民事紛争の解決を促す。外国政府との交渉材料にする》
実際、現地取引先とのトラブルを解決するために、中国に入った米国人が帰国しようとすると、空港で突然、当局から「オマエは要求されている損害賠償金を支払うまで出国できない」と通告され、そのまま出国できなくなった例もある。ましてや、反中活動をしている親族がいたりしたら、大変だ。親族の中国帰国と引き換えに、身柄を拘束されてしまうのだ。
「ニューズウイーク」誌は現在、「200人以上の米国人が拘束されている」と報じた。日本では、こうした実態がほとんど報じられず、政府も積極的に情報公開しないので、本当の「中国の怖さ」が伝わっていない。
「反スパイ法」施行後同法だけでなく、経済的な問題もあるでしょうが、中国に嫌気を指して、米国に不法入国を試みる中国人も激増している。
4月13日付の「ボイス・オブ・アメリカ」は、「昨年10月から今年2月までに4366人の不法入国中国人を検挙した」と報じた。前年同期の約10倍だ。スパイに神経をとがらす中国は、内部からの崩壊も始まっている。
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❝クルマが売れるほどのしかかるテスラの死角「品質地獄」と「メンテナンス地獄」❞

2023-08-05 07:00:00 | 日記
2023年4月、電撃的な社長交代を果たしたトヨタは、佐藤恒治新体制のもと新たなEV戦略を次々に発表している。マルチパスウェイ(全方位)戦略を維持するとしながらも、国、地域をあげた欧・米・中によるEV覇権争いに乗り遅れることはできないと。
テスラが抱える巨大なリスクの正体とは? クルマが売れれば売れるほどのしかかる「品質地獄」と「メンテナンス地獄」
サイバートラックはテスラの次の成長商品だ。
2021年以降に生産開始といわれてきたが、実際にテキサス州のギガファクトリーで生産され、市場へ投入されるのは2023年秋となる。このモデルは2019年から受注を開始しているが、現在では100万台以上の注文が入っているという説もあるほどだ。
これほどの数の消費者を魅了し、予約金を支払ってでも手に入れたい魅惑的な消費財といえば、 アップルのiPhoneのような世界だと思われる。カリスマ経営者が先導する既存価値を変える魅惑的な商品。石油の世紀に終焉をもたらす企業と経営者として、ユーザーからの支持は強い。
ただし、ここには大きなリスクもある。マスクの言動やテスラの企業のガバナンスは安定的で盤石とは思われない。特に、2022年以降のマスクの言動にはやや理解に苦しむことが多くなり始めている。株式市場はそのリスクを察知し、既に逃げ始めた投資家も多い。敵失を期待してはならないが、「パラレル・シリアル」組み立て工程とは未知な領域で立ち上げには大きなリスクも伴う。新工場、新モデル、新生産システムを初めての土地でいきなり立ち上げ、成功させるのは偉業に近い。
アップルやアマゾンが実現しているデジタルでソフトウェア主導のプラットフォームや指数関 数的なスケールと、テスラが目指すハードウェアのEVを基盤としたSDVのビジネスモデルは同じには見えず、テスラが完全なる指数関数的なスケーラビリティを築いたとは思われない。
ハードウェアとしてのEVの成功なしに、上の階層のエコシステムを独り占めすることは容易ではない。ましてや、完全自動運転技術の完成が必要条件にあるとなれば、それが実現できなければ単なるEVメーカーであり、どこかでライバルに追いつかれるだろう。それが分かっているだけに、マスクは何者かに憑依されたがごとく撃侵を止めない。 
テスラは現在200万台ものEV生産能力を確立した。これが意味することは、15年間で築いてきた400万台のテスラの保有台数はこれから2年で倍々ゲームとなっていくということだ。
テスラはここにきて品質問題を多発させてきている。これまでの多くのリコール(無償修理)はOTAを用いたソフトウェアのアップデートで修理ができた。もし、この先にソフトウェアでは対応できないハードウェアのアップデートが必要になった時、ディーラーというメンテナンス機能を持たないテスラはその対応に多大なリスクを背負うことになる。ソフトウェアと違いハードウェアは直線的な成長ラインをたどる。ハードウェアが生み出す罠をテスラは今後も乗り越えていかなければならないのである。
2018年の生産地獄は見事に乗り越えたが、これからは「品質地獄」「メンテナンス地獄」も避けては通れない。今後も、必ず紆余曲折がありそうだ。伝統的な自動車産業 はあきらめなければ追いつけるチャンスが残されていると強く確信している。
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【絶対王者八冠誕生は近い?】8/4第71期 王座戦 挑戦者決定戦 藤井聡太七冠 対 豊島将之九段

2023-08-03 15:19:19 | 日記
前人未到の八冠にまた一歩前進するか? 明日8月4日は王座戦 挑戦者決定戦、藤井聡太七冠 対 豊島将之九段です。王座戦は全棋士と女流棋士4名で行われ一次予選、二次予選のトーナメント戦を行い、二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の16名によって、挑戦者決定トーナメントを行い、前記の両者が勝ち上がり、挑戦者を決めます。振り駒で先手を取れなければ、先手番が圧倒的に強い藤井七冠相手だと、豊島九段は苦戦を強いられそうです。
【昼食の注文】
藤井聡太竜王・名人 珍豚美人  豊島将之九段 親なん定食

現在の形勢判断:互角
▲ 先手 (+108):藤井聡太七冠 [残時間:3:04]
△ 後手 (―108):豊島将之九段 [残時間:2:54]

今月の藤井七冠対局予定は   成績:3勝0敗
<8/15-16(火、水)9:00~>「第64期王位戦 タイトル戦 第4局」vs 佐々木大地七段 
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米国GDP超えも時間の問題のはずが・・習近平皇帝、巨額債務、不動産価格下落で人心離れ

2023-08-02 09:13:47 | 日記
米国をGDPで超えるのも時間の問題と思われていた中国だが、新冷戦時代に入り、そうは状況が進まないことが見えてきた。
まずは外患だが、新冷戦下では第1に経済安全保障の観点から西側民主国家が構築するサプライチェーンであるフレンド・ショアリングから排除されるので、西側からの直接投資にブレーキがかかる。同時に中国の労働コスト上昇の影響も見逃せない。
1992年に2635元だった賃金(年間)が2021年には10万6837元と40倍も上昇している。もはや安い労働力を求めて中国に投資する企業はいない。
中国の内需拡大を見込んでの投資ならあり得るが、共同富裕で経済減速が予想されるのでこれもあまり期待できない。
第2は先端技術・製品の対中輸出制限が広がることだ。民主主義対専制主義の闘いを標榜するバイデン大統領の圧力もあって、西側諸国が有する先端技術や製品の中国向け輸出は制限される方向にある。
象徴的なのが半導体製造装置で米国と並んで世界をリードする日本、オランダが米政府の強い説得により、中国向けの輸出制限に合意したニュースである。
この日米蘭の3ヵ国で世界の半導体製造装置の90%以上を占めており、ここから締め出されると、中国の半導体産業は立ち行かなくなり、中国の製造業に致命的なダメージを与えることになる。
内憂で言えば、やはり共同富裕の弊害だ。鄧小平の先富論を否定したいまの習近平の治世では、アニマルスピリッツに溢れた若手起業家の活躍の場はない。
格差社会の是正という名目で高い税金をかけられ、賃上げによる労働分配率の変更を要請され、かつ利益の社会還元を強制されるからだ。
しかも、習近平は「国有企業はより大きく、より強くならなければならない」と述べるなど、国が指導する産業政策の役割を重視し、それを実践する国有企業を優遇する「国進民退」の考え方を押し出している。これでは民間企業にイノベーションを起こす意欲が湧いてこないので民間投資は減速せざるを得ない。
結局、官製イノベーションに依存するしかなく、科学技術の「自立自強」を唱える習近平だが、これではイノベーション主導の経済発展は望み薄である。
次に構造問題としては巨額債務が中国経済に重くのしかかっている。第1が地方政府の債務問題である。
これまで中国の成長を支えてきた要因の一つは地方政府による道路、鉄道、港湾などのインフラ投資であり、また省内の国有企業の尻を叩いて設備投資を増大させたことである。
共産党の省トップは担当地域のGDPが急増すれば、北京に戻ってから出世が見込めるので、GDP競争で他の省に負けていられないのだ。勢い、後先を考えないで自分がトップにいる間は無茶な投資でもやらせてGDPを上げる傾向がある。これが地方債務急増の背景だ。
まだ、リーマンショック以前は不動産価格の上昇に連動して土地使用権収入が増大したので、地方財政が比較的健全であったが、リーマンショックを乗り切るために、中央政府が打ち出した4兆元(約57兆円)の景気刺激策あたりからおかしくなってきた。
中央から地方に割り当てられたノルマ達成のために、無茶な不動産開発や設備投資が進められた結果、「鬼城」と言われるゴーストタウンが生まれたり、稼働しない設備が放置されたりして社会問題化した。
特に地方政府は地方融資平台という投資会社を設立して、金融機関に高利回りの資産運用商品「理財商品」を販売させて得た資金で開発を進めていったが、銀行からの融資ではない資金調達だったので「シャドーバンキング(影の銀行)」と呼ばれた。
身の丈に合わない不動産開発投資はバブルを醸成し、バブル崩壊から巨額の債務を抱える羽目になった地方政府の窮状は相当に深刻化しているようだ。
地方政府といっても、地方自治とは無縁で、あくまで中央政府の出先機関であるので、債務処理は中央政府が責任を持ってやるしかない。よって、地方政府や国有企業の不動産開発投資、設備投資は長期的に低迷を余儀なくされる方向にある。
第2が民間の不動産開発業者の債務問題である。2021年11月に大手の恒大集団がドル建て債務の利払いができずデフォルトに陥った。資金難に陥った恒大集団が建設工事を途中で取りやめたために、代金を払っても入居できなくなった人たちや個人投資家が抗議行動に出るなど各地で混乱が拡がった。
中国は改革開放後に急速な経済発展を見せ、不動産需要の高まりから不動産価格が急上昇、さらに利益を求めて一段と不動産投資が活発化するという循環が生まれた。
日本のバブルと同じパターンであり、不動産投資は儲かるという経験則から「絶対に」儲かるという不動産神話が生まれて、不動産業者はさらに借り入れを増やしてバブルが醸成されていった。
ところが、不動産価格の上昇は家を持てる人と持てない人の格差を生み出すが、これは中国共産党が最も嫌う事態である。
早速、習近平は「共同富裕」の観点から、「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という方針を繰り返し、「三条紅線」という不動産業者の負債状況を示す3つの指標を参考にした不動産向け融資規制を銀行に指示した。
日本のバブル崩壊の引き金となった「総量規制」と全く同じであり、当然ながら中国版不動産バブルが崩壊して、恒大集団の破綻につながった。慌てた習近平が「三条紅線」の緩和に踏み切ったが、時すでに遅し、その後も不動産市場の低迷が続いている。
結局、これも中国政府が債務処理に乗り出さない限り解決は難しい。不動産が引っ張ってきた中国の成長パターンが壊れたので成長減速は避けられないだろう。
さらに、「一帯一路」も暗礁に乗り上げている。第1に途上国向けインフラ融資が焦げ付いて、不良債権化しつつある。第2は中国マネーで融資国を属国化する中国の姿勢に対して途上国で反中ムードが拡がっている。
その結果、ユーラシアに一大経済圏を創り上げて中国主導の経済成長を目論む習近平の構想は頓挫しつつある。
これまで共産党大会や全国人民代表大会で幾度も強調していた「一帯一路」に最近、習近平が言及しなくなったのは何か不都合がある証かも知れない。
いずれにせよ、共産党一党独裁、習近平の皇帝化が進むにつれて、人権抑圧や言論封じ込めが酷くなってきており、人心の共産党離れ、習近平批判が高まっている。共産党一党独裁の制度疲労が進行しているので、新冷戦下の中国経済の行方は極めて厳しいものになると予想される。


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