第四課 苦労について
料理通の話を聴きますと、「魚肉などで味の深い個所は、魚が生存中、よく使った体の部分にある。例えば鰭ひれの附根の肉みだとか、尾の附根の部分とかである。素人は知らないから、そういうところを残しがちだが、実は勿体ないことである」と言いました。
なるほど、この事は人間についても言われます。苦労をしない人よりは、苦労をした人の方が人間味が深いのであります。いわゆる、お坊っち . . . 本文を読む
南方熊楠はあの世があるのは当然といっています。「・・・死んでも六道に迷うは芝居が混雑して手拭を落としたるを尋ね周り、役者が楽屋で役割の当不当を論じ、給金や花に葛藤を生ずるほどのことで・・・」 . . . 本文を読む