第一一課 世の中
捨ててみて、はじめて拾える世の中。皮肉な世の中。そのときは、もう自分で拾うのではない、寄ってたかって人が拾わせるのです。そのときは、もうたいして自分には興奮もない世の中ですが、その代り、失墜の心配もない。たいして得も取らせなければ、たいして損もさせない世の中です。
だが、そうと判ってみれば、今度はなかなか面白く眼に映る世の中。
誰かの句に、
身を捨ててまた身を . . . 本文を読む
説法明眼論・・・その2
・開眼品第十
若し佛菩薩ノ像乃至人天ノ絵像、木像ヲ讃嘆センニハ必ズスベカラク五種ノ開眼ヲモチフベシ。ソノ五種トハ、
一ニハ入理開眼なり。此ハ三乗ノ権教門二約ス。マサニ知ルベシ、彼ノ教ハ理体ニ約スルニアラズ、仏性ヲ見ルコトヲ得ズ、コノ故二諸ノ経論二在在所所二
真如ヲ明ラカニセント欲セバ如来ノ蔵ノ性は凝然トシテ常住ナリ。理事ハ格別ナリ。事の諸法ヲ破シテ理ノ佛性ニ入レバ無明 . . . 本文を読む