福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

縁起とは則ち『一如』ということ

2020-01-26 | 法話
「唯識のすすめー仏教の深層心理(岡野守也)」より
「縁起(無自性・無常・無我・苦)が空の内容である。
縁起とはすべてが繋がっているということ、則ち『一如』ということと同義である。」
「唯心論と唯識とは違う。唯心論は『ものは存在せずただ心だけが存在する』という考えだが、唯識は『すべては心が捉えない限りあるとはいえない。心は世界と果てしなく繋がっていて一如(一体)である。』とする。」


「・・・さらにユングでは集合的無意識のレベルまで含んだ無意識と意識の統合による自己実現・個性化が目指されていますが、これはつながり・かかわりを他者や民族といったレベルまで深め、広げていく視点だとみることができますから、有る意味では宇宙意識のレベルに達しているといっていいでしょう。さらに「空」のレベルにも近ずいていると思います。

しかしやはりふつうにいう自我よりははるかに広く深いレベルではあるにしても、ある種他との分離性が残った自己のところまでといっていいと思います。・・・

「空」は決して仏教の教義を信じている人にだけ通用するような思想・イデオロギーではありません。・・・普遍的事実を非常に的確に自覚認識して言葉にしたものが「空」の思想です。・・・

教えられて、しかし自分自身の目でみると心自体、世界とつながって一つであり、心の奥底にはその事実に目覚めることのできるレベル・領域がある。あるいは「空」そのものと一つであるといえるようなレベル・領域がある。それは実に納得できる、何の不思議もないことだと実感するのです。・・・

私たち普通の人間の日常生活は、煩悩の種子が意識からマナ識、阿頼耶識、と経過して、また阿頼耶識からマナ識、意識と悪循環している。にも拘らず、悟りの種子を意識から入れて阿頼耶識に薫習することができる。よい循環に転換することによってすこしずつ悟りに向かって進歩していく。そういうことが可能なのです。・・・」
そうすると世界を変えることができる、ということになります
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