福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

秘密曼荼羅十住心論に説く十悪の果報、6((悪口の果報))

2020-06-26 | お大師様のお言葉
秘密曼荼羅十住心論に説く十悪の果報、6((悪口の果報))
又其の兩舌により言輒(すなわ)ち麁惡なり。今身に惡口を以てのゆえに鬪亂殘害し更に相侵伐して諸衆生を殺す。死して即ち當に刀兵地獄に堕して遐劫中において諸苦惱を受く。受苦既に畢りて畜生中に堕す。拔脚(脚をぬき)賣膀(脇を売り)輸腿(腿をおとされ)喪髀(ももの骨を喪ひ)、遐劫中に於いて諸苦惱を受く。受苦既に畢りて此之中にありて無量に生死す。・・・
故に地持論に云く(ここでは華厳経のこと)「惡口之罪も亦た衆生をして三惡道に堕せしむ。若し人中に生ずれば二種の果報を得。一は常に惡音を聞く。二は言説すべきところ恒に諍訟あり」。何が故にか惡口は地獄に堕するや。惡口する所は皆人を害せんと欲するを以て人聞きて苦と為す。所以に命終して地獄の苦を受く。何が故に惡口は出でて畜生と為るや。其の惡口は人を罵りて以って畜生とするを以て、ゆえに出獄して即ち畜生と為る。何が故に惡口は復た餓鬼と為るや。其の慳悋(けんりん)干觸(かんしょく)惡詈(おり)するによりて、所以(ゆえ)に畜生苦畢りて復た餓鬼と為る。何が故に惡口は人と爲りて常に惡音を聞くや。其の發言麁鄙なるをもって聞くところ常に惡口なり。何が故に惡口は言説すべきところ恒に諍訟あるや。其の惡口は衆徳に違逆するを以て、説言する所あらば常に諍訟を致す。當に知るべし、惡口は六大苦也。
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