「先祖供養(阿部 憲和)」金沢大学文化人類学研究室調査実習報告書
(輪島の西保地区の先祖供養の実態調査報告)「初七日、14,21,28,35,42,49日まで7日ごとに僧侶を呼んでの法要。次は百か日の法要、さらに次は-周忌。その後は、3,7,13,17,23,27,33、50回忌、ここで弔い上げとすることが多い。行う時期にはとくに決まりはなく、各々が都合のよい時期に執り行われる。香炉を始めとする仏壇の飾り物も「三具足(サングソク)」から「五具足(ゴグソク)」に普段とは異なった並べ方がなされ、「打敷(ウチシキ)」と呼ばれる敷物をひく。当日は家に僧侶を呼んで読径、もてなして帰ってもらった後、親戚一同で食事をとる。それらに加えて盆や彼岸などの、-年ごとに循環するかたちをとる季節的な先祖供養と、一日の決まった時に欠かさずなされる先祖供養あり。月忌さまとは年に一度、農閑期の1,2,3月に行われる先祖供養の法要。月忌さまとは月命日の別称。僧侶が家々を-戸ずつ回って仏壇の前で経を読むもの。個人が家の中で日常的に行う「お勤め」の作法は、まず仏壇の内扉を開き、仏壇の明かりをつけ、線香がたかれる。参加する人全員がそれぞれ数珠をもち、「正信偶(ショウシンゲ)」を読んで、次に南無阿弥陀仏、その後に「下讃」を唱える。この念仏一和讃の口唱を数回繰り返してから、「御文様」もそれぞれについて読む、というのが毎日朝晩行われるお参りのひとつのサイクルとなる。一回のお勤めにかかる時間は15分程度。オアサジは「御朝事」と書くもののようだ朝食の前(早いところでは5時頃)に各家で行われる先祖供養である。前日に閉めた仏壇の扉を開いて灯りをともし、線香を立てる。オブクサマと呼ばれるご飯のお供えをあげるのもこの時である。水はこのあたりでは供えないきまりになっているようだ。ニッチュウは「日中」であろうか。午前10時から11時の間くらいになされる。昼食の前。オタイヤは一部では「ゴユウジ(御夕事)」とも呼ばれている。聞いたところによると、「御逮夜」と書くものであるらしい。これは夕食の前(大体6,7時)に行われる。仏壇だけでなく、墓へのお参りも現在ではよく見られる。仏壇と同じように、墓にも花を絶やさないようにお参りを週に-度くらい行っていると語ってくれた人が多かった。
(輪島の西保地区の先祖供養の実態調査報告)「初七日、14,21,28,35,42,49日まで7日ごとに僧侶を呼んでの法要。次は百か日の法要、さらに次は-周忌。その後は、3,7,13,17,23,27,33、50回忌、ここで弔い上げとすることが多い。行う時期にはとくに決まりはなく、各々が都合のよい時期に執り行われる。香炉を始めとする仏壇の飾り物も「三具足(サングソク)」から「五具足(ゴグソク)」に普段とは異なった並べ方がなされ、「打敷(ウチシキ)」と呼ばれる敷物をひく。当日は家に僧侶を呼んで読径、もてなして帰ってもらった後、親戚一同で食事をとる。それらに加えて盆や彼岸などの、-年ごとに循環するかたちをとる季節的な先祖供養と、一日の決まった時に欠かさずなされる先祖供養あり。月忌さまとは年に一度、農閑期の1,2,3月に行われる先祖供養の法要。月忌さまとは月命日の別称。僧侶が家々を-戸ずつ回って仏壇の前で経を読むもの。個人が家の中で日常的に行う「お勤め」の作法は、まず仏壇の内扉を開き、仏壇の明かりをつけ、線香がたかれる。参加する人全員がそれぞれ数珠をもち、「正信偶(ショウシンゲ)」を読んで、次に南無阿弥陀仏、その後に「下讃」を唱える。この念仏一和讃の口唱を数回繰り返してから、「御文様」もそれぞれについて読む、というのが毎日朝晩行われるお参りのひとつのサイクルとなる。一回のお勤めにかかる時間は15分程度。オアサジは「御朝事」と書くもののようだ朝食の前(早いところでは5時頃)に各家で行われる先祖供養である。前日に閉めた仏壇の扉を開いて灯りをともし、線香を立てる。オブクサマと呼ばれるご飯のお供えをあげるのもこの時である。水はこのあたりでは供えないきまりになっているようだ。ニッチュウは「日中」であろうか。午前10時から11時の間くらいになされる。昼食の前。オタイヤは一部では「ゴユウジ(御夕事)」とも呼ばれている。聞いたところによると、「御逮夜」と書くものであるらしい。これは夕食の前(大体6,7時)に行われる。仏壇だけでなく、墓へのお参りも現在ではよく見られる。仏壇と同じように、墓にも花を絶やさないようにお参りを週に-度くらい行っていると語ってくれた人が多かった。