神道大意(吉田兼倶)より
「神に三種の位あり。
一には元神、二には詫神、三に鬼神なり。
・はじめの元神とは日月星辰等の神なり、その光天に現じてその徳三界に至れり。しかれども直にその妙体を謁することあたわず。ゆえに浄妙不測の元神とす。
・二には詫神とは、非情の精神なり。非情とは草木の類なり。地に着て気をはこび、空に出て形をあらわし、四季に応じて生老病死の色あり。しかれども全く無心無念なり。是を詫神と号す。
・三に鬼神とは人心動作に随ふをいう。わずかに一念動けば是の心他境に移る。故に天地を感ずれば天地の霊わが心に皈す。心に草木を感ずれば草木の霊わが心に皈す。心に畜類を感ずれば畜類の霊わが心に皈す。心に他人を感ずれば他人の霊わが心に皈す。字書にいわく、鬼とは皈なり。しかればすなわち鬼神は心の賓客なり。他より来たりて他に皈り、家を出でて家に帰るがごとし。國家を保つものは鬼神多し。鬼神乱れるときは國破れるとみえたり(仁王護国経に同じ表現がある)。これによって伏義は八卦を画して八神を祭り、釈尊は天地の為に十二神を祭り、仏法の為に八十神を祭り、伽藍の為に十八神を祭り、霊山の鎮守金毘羅神を祭る。則ち十二神の第一なり。この金毘羅神は日本三輪大明神なりと伝教大師帰朝の記文に載せられたり。他国猶この如し、いかにいわんやわが神国においておや。」
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