金光明最勝王經・全訳・・24/32
金光明最勝王經・授記品第二十三(お釈迦様が妙幢菩薩、その二子銀幢・銀光に当来成仏の記別を授けるとともに来至した最勝光明と十千天子に大菩提獲得の証明を与える)
爾時、如來、大衆中において法を廣説し已り、妙幢菩薩及其二子銀幢・銀光の為に阿耨多羅三藐三菩提の記を授けんと欲す。時に十千天子あり。最勝光明を上首となす。倶に三十三天より佛所に來至し佛足を頂禮して却って一面に座し佛の説法を聽く。爾時、佛、妙幢菩薩に告げて言く「汝、來世において、無量無數百千萬億那庾多劫を過ぎ已りて金光明世界において當に阿耨多羅三藐三菩提を成じ金寶山王如來・應・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と號し世に出現すべし。時に此の如來の般涅槃後、所有る教法亦た皆な滅盡すべし。時に彼の長子名て曰く銀幢は、即ち此界において次に佛處に補す。世界は爾時に轉じて淨幢と名く。當に作佛することを得て名曰く金幢光如來・應・正遍知・明行足・善逝・
世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と。時に此の如來般涅槃後、所有る教法亦た皆な滅盡す。次子の銀光即ち佛處に補し、還って此界において當に作佛するを得て、號して曰く、金光明如來・應・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と。是時、十千の天子は三大士の授記已りしを聞くことを得て復た如是の最勝王經を聞きて心に歡喜を生じ、清淨無垢なること猶し虚空の如し。爾時、
如來は是の十千の天子の善根の成熟を知り即便ち大菩提の記を授与す。「汝等天子、當來世において無量無數百千萬億那庾多劫を過ぎ、最勝因陀羅高幢世界において阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得、同一種姓又た同一名ありて號して面目清淨優鉢羅香山十號具足と曰はん。如是に次第して十千の諸佛、世に出現すべし。」
爾時、菩提樹神白佛言「世尊。是の十千天子は三十三天より聽法のための故に佛所に來詣す。云何んが
如來便ち當に成佛するを得べしと授記を與へたまふや。世尊。我未だ曾って聞かず、是の諸天子の、六波羅蜜多難行苦行を具足修習し、手足・頭目・髓腦・眷屬妻子・象馬車乘・僕使・宮殿園林・金銀琉璃車馬瑙珊瑚虎珀・璧玉・珂貝・飮食衣服臥具醫藥を捨つること、餘の無量百千菩薩が諸供具を以て過去無數百千萬億那庾多佛に供養せるごとくなると。如是の菩薩は各の無量無邊劫數を經て然後に方に菩提の記を受くることを得たり。世尊よ。是の諸天子は何の因縁を以て何の勝行を修し何の善根を種へてか彼の天より來き暫時に聞法し便ち授記を得たるや。惟だ願くは世尊、我ために解説し疑網を斷除したまへ」。佛、樹神善女天に告げたまはく「汝の所説の如く、皆な勝妙善根の因縁により、勤苦修し已りて方に授記を得たり。此の諸天子は妙天宮において、五欲樂(色声香味触)を捨て故らに來りて是の金光明經を聴く。既に聞法し已りて是經中において心に殷重を生じ、淨琉璃の如く諸瑕穢なし。復た此の三大菩薩(妙幢菩薩、その二子銀幢・銀光)授記之事を聞くを得るは亦た過去久修正行誓願因縁に由る。是故に我今皆に授記を與ふ。未來世において當に阿耨多羅三藐三菩提を成ずべし」と。時に彼の樹神は佛説を聞き已りて歡喜信受せり。
金光明最勝王經・授記品第二十三(お釈迦様が妙幢菩薩、その二子銀幢・銀光に当来成仏の記別を授けるとともに来至した最勝光明と十千天子に大菩提獲得の証明を与える)
爾時、如來、大衆中において法を廣説し已り、妙幢菩薩及其二子銀幢・銀光の為に阿耨多羅三藐三菩提の記を授けんと欲す。時に十千天子あり。最勝光明を上首となす。倶に三十三天より佛所に來至し佛足を頂禮して却って一面に座し佛の説法を聽く。爾時、佛、妙幢菩薩に告げて言く「汝、來世において、無量無數百千萬億那庾多劫を過ぎ已りて金光明世界において當に阿耨多羅三藐三菩提を成じ金寶山王如來・應・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と號し世に出現すべし。時に此の如來の般涅槃後、所有る教法亦た皆な滅盡すべし。時に彼の長子名て曰く銀幢は、即ち此界において次に佛處に補す。世界は爾時に轉じて淨幢と名く。當に作佛することを得て名曰く金幢光如來・應・正遍知・明行足・善逝・
世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と。時に此の如來般涅槃後、所有る教法亦た皆な滅盡す。次子の銀光即ち佛處に補し、還って此界において當に作佛するを得て、號して曰く、金光明如來・應・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と。是時、十千の天子は三大士の授記已りしを聞くことを得て復た如是の最勝王經を聞きて心に歡喜を生じ、清淨無垢なること猶し虚空の如し。爾時、
如來は是の十千の天子の善根の成熟を知り即便ち大菩提の記を授与す。「汝等天子、當來世において無量無數百千萬億那庾多劫を過ぎ、最勝因陀羅高幢世界において阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得、同一種姓又た同一名ありて號して面目清淨優鉢羅香山十號具足と曰はん。如是に次第して十千の諸佛、世に出現すべし。」
爾時、菩提樹神白佛言「世尊。是の十千天子は三十三天より聽法のための故に佛所に來詣す。云何んが
如來便ち當に成佛するを得べしと授記を與へたまふや。世尊。我未だ曾って聞かず、是の諸天子の、六波羅蜜多難行苦行を具足修習し、手足・頭目・髓腦・眷屬妻子・象馬車乘・僕使・宮殿園林・金銀琉璃車馬瑙珊瑚虎珀・璧玉・珂貝・飮食衣服臥具醫藥を捨つること、餘の無量百千菩薩が諸供具を以て過去無數百千萬億那庾多佛に供養せるごとくなると。如是の菩薩は各の無量無邊劫數を經て然後に方に菩提の記を受くることを得たり。世尊よ。是の諸天子は何の因縁を以て何の勝行を修し何の善根を種へてか彼の天より來き暫時に聞法し便ち授記を得たるや。惟だ願くは世尊、我ために解説し疑網を斷除したまへ」。佛、樹神善女天に告げたまはく「汝の所説の如く、皆な勝妙善根の因縁により、勤苦修し已りて方に授記を得たり。此の諸天子は妙天宮において、五欲樂(色声香味触)を捨て故らに來りて是の金光明經を聴く。既に聞法し已りて是經中において心に殷重を生じ、淨琉璃の如く諸瑕穢なし。復た此の三大菩薩(妙幢菩薩、その二子銀幢・銀光)授記之事を聞くを得るは亦た過去久修正行誓願因縁に由る。是故に我今皆に授記を與ふ。未來世において當に阿耨多羅三藐三菩提を成ずべし」と。時に彼の樹神は佛説を聞き已りて歡喜信受せり。