1、
新型コロナウイルスとの闘いは、中国型の全体主義モデルが21世紀の世界に有効か否かが試されることになった。」という記事が昨年2月にありました。
2、まさにその結果が見せ掛けにせよ今出つつあります。自由主義諸国でパンデミックとなり、ウイルス発生元の全体主義国家中国はほぼ終息したと自画自賛しています。
3、「ポストモダンの「近代」 米中「新冷戦」を読み解く」(田中明彦)では、「気候変動・コロナ等の地球的課題に対応できるのは自由主義諸国か全体主義諸国かという課題が今問われている」と述べています。
自由主義国家がこの地球的課題への対応を早急に成功させることができなければ、全体主義国家がより強力になり、30年代とは逆に今回は自由主義が負け全体主義が地球を覆うこととなります。
4、この主張からするといままさに歴史の大転換点です。自由主義諸国はコロナへの封じ込めに失敗しつつあります。全体主義の中国のように締め付けが効かなくてパンデミックになっているからです。庶民も政治も市場原理主義に熱病の様にとりつかれ安全保障まで市場に任せたからです。自由主義諸国も今はそれなりの対応をしようとしていますがそれでも全体主義国家のようにはできません。時間的物理的にも隙間ができます。この隙間を埋めるのは国民の相互扶助と自律しかありません。
5、そして国民の相互扶助や自律は自動的に沸いては来ません。そこにはまさに深い信仰がなければできません。
6、昔は例えば、十斎日とか六歳日という日には、庶民も八斎戒(不殺生、 不倫盗、 不淫、不妄語、 不飲酒、 不聴歌舞、 不坐広床戒、 非時食戒)を守ることとなっていました。自己規制をし利他行に励む習慣が日本人の心の奥底のどこかにまだ残っているはずです。
7、そして今後のことを考えると、まさに今仏教は世界へその自律・自戒の生活を広めるべき時が来ていると思わざるを得ません。それが地球的課題を解決して全体主義を食い止める唯一の道ではないかと思います。仏教者の役割たるやかってなく大なるものがあります。
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