福聚講

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今日天長五年二月二十七日は大師が「伴按察平章事が陸府に赴くに贈る詩」をお作りになった日

2023-02-27 | お大師様のお言葉

今日天長五年二月二十七日は大師が「伴按察平章事が陸府に赴くに贈る詩」をお作りになった日です。
((日本後記・天長五年二月に)「甲寅,賜鎮東按察使-伴朝臣-國道餞.有御製.賜衣被及雜珍玩物」とあり。
「伴按察平章事が陸府に赴くに贈る詩」
夫れ膚寸(雲)南北に心なけれども風に遭ふときは則ち飛ぶ。順の徳なり(命令にしたがう徳)。人臣東西に心なけれども命を銜ふくむときは則ち馳す。忠の至りなり。蕞爾たる毛夷(さいじたるけい・小さい毛の蝦夷)昆垂(丑寅・東北地方)に迫り居り。豺の心蜂の性ありて代を歴て便りをなす。
昔景行皇帝撫運(景行天皇は熊襲を征伐したのち、日本武尊に蝦夷成敗を命じた)の日、東夷いまだ賓せず。日本武尊、左右の将軍、武彦・武日命等を率ひてこれを征するに毛人面縛す(蝦夷は降伏した)。日命はすなわち君の先なり。延暦中にまた叛く。桓武皇帝大将軍伴弟満等をしてすなわち罪せしむ。武日、これを平げしより已来、つねに時々に逆をなす。諸の氏の将を遣わしてその辜を罰せしむ。しかれどもなほ、人の面、獣の心ありて朝貢を肯んぜず。
今上、乾坤を徳とし、仁義その心に具ふ。(「繋辞伝」下の第六章に「子日く、乾坤は其れ易の門か。乾は陽物たり、坤は陰物なり。陰陽徳を合わせて            -」と 剛柔体あり、以て天地の撰を体し、以て神明の徳に通ず。」とあり。)麒麟昆虫を踏まず。(四庫全書に「格物總論〈麒麟麕身馬足牛尾黄色圓蹄一角角端有肉髙一丈二尺合仁抱義行步中䂓折旋中矩音中鐘吕游必擇土翔而後處不履生蟲不折生草不羣居不旅行不犯陷穽不罹網罟中國有聖人則至故毛蟲三百六十而麒麟為之長麟鳳五靈皆王者之嘉瑞也而麒麟為之首稱牝曰麒牡曰麟〉」)鳳凰阿閣(宮殿)に来たり巣くふ。風調ふて暴ならず。刑厝おひて尸つかさどらず(刑法はあるが適用する対象がない)。太平の治、今に五稔なり(淳和天皇の代の天長になって五年)。それ無為の世に有苗の伐を致し(舜は反抗した有苗族を従えた)、垂拱の時に涿鹿の戦いあり(黄帝が蚩尤を破った一戦)
。時すでに澆季にして仁義の郷返って胡越となる(胡とか越のような遠方)。比属このごろ、神光怪気(流星や日蝕)東に発り、地震流星西に起こる。皇帝、納惶を軫慮して(のうこうをしんりょして・人々の苦しみをおしはかり)、すなわち文翁(文翁は廬江郡舒県出身の人で、若くして学問にうちこみ『春秋』に精通した。穏やかで人を愛すること甚だしく、人を良い方向に導こうと教育に熱心であった。始め彼は郡の役人となり、能力を認められて次第に昇進し蜀郡太守となった。蜀は蛮夷の風があったので、文翁はここを教導し成功した)・孫子を遣わして東夷を鎮押せしめんと欲す。
君智にして謀あり、果にして恵あり。門はすなわち累葉、人は寔に平章(道理を正しく明らかにすること)なり。議を吐くに聖心に允へり。衆もまたこれを推す。このゆえに斧節(節刀)を竜顔に授けられて皇化を蝦荒に撫ず。餞を賜り詩を賜って天沢霈然たり。侍坐して和し奉る詩はすなわち什(十編)をなす。当にこれ栄を史策に暉てらし、音を絲竹に挙ぐべし。しかのみならず城に挙って寮族知旧悉く皆餞し惜しむ。
貧道と君と淡交にして玄度遠公なり(風流の友であった)。緇素区ちに別れたれども伴左昆季なり(大伴氏と佐伯氏は兄弟である)。人を送るに言をもってす。古人もこれをいへり。三軸の秘禄、一篇の拙詩、神薬を加持してもって別れの後の思いに充つ。人至らば乞ふ、検を垂れよ(使いの者がきたら調べてお受け取りください)。春辞して秋入るは聖君の明詔なり。すなわち馳せ、すなわち驟うぐついて(はせる)早く、辺烽の塵なきことを奏せよといふこと爾なり。
君が門は開闢より皇王の将たり 智勇英謀あって聖神に允かなへり。
節を持して霜を犯すこと松柏の如く、貞を含み雪を凌ぐこと竹筠(たけ)に似たり。
良将の螘ありの陳は一把の草、羽狄の犲(やまいぬ)の営は半掬の塵。
飛禽もまた恩と義とを識る 猛虎もなほ恵と仁とを知る。
治乱は吾にありて敵にあらず 帰心判意は己が身の為なり
天の簡君にあり、須らく譲るべからず 家を忘れ国の為にするはこれ忠臣なり 
鳥の声悲哢(ろう・さえずる)して園華落つ 雲施飛び馳せて軍令申ぶ。
孫子張良彼何者ぞ 六韜三略この春に用ふ。
東涯万里一歩よりも少なし 一吨た早く馳せて荒服馴れむ。(はやく馳せて一喝したならば蝦夷は降伏するであろう)。

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