福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国土は神・佛・先祖であり『道』を具現化するためのもの

2024-08-31 | 先祖供養

国土は神・佛・先祖であり『道』を具現化するためのものである。

 

1,「日本精神の研究(安岡正篤)」

「我が建国の由来を尋ねて先ず敬虔の情を覚えるものは、わが大八州国成立の神話である。天地開闢して後、伊弉諾伊弉冉の男女二柱の神がおのころ島におりられて、まず生まれたのが大八州、即ち日本の国土である。それから水や木や火の神が生まれ、女神は遂に崩御されて夜見の国に行かれた。夜見の国は見てはならない掟であったが男神はその掟を破って穢れを見、馳せかえってその穢れをお洗ひになった時、眼鼻から出られたのが天照大神月読尊素戔嗚尊であった。天照大神がわが皇室のご先祖であることはいふまでもない。してみれば大八州と天照大神とは御兄弟である。同じ親神から先ず大八州が生まれ、のち天照大神が生まれられたといふこの神話に私は不尽の理趣を覚える。・・萬物は一霊源の限りなき支派であって物と心は決して二元的存在ではない。物心本来一であって二ではない。・・」

 

2,「密教経典と護国思想(栂尾祥雲)」「生命体としての全一の根本佛とそれによりて生かされておる各々個々のものとの交渉関連のうちに、組織し、形成されたものが現実の国土である。従ってそれは本来内外一体のものであり、物心一如のものである。この本尊を通じ、秘密般若の真精神を味得し体解することによりて天地万象の和順をはかり、顕幽二界の協和をくわだてる所に密教独自の護国思想があることになるのである。」

 

3,「武士道(新渡戸稲造)」「神道の自然崇拝は国土をば我々の奥ふかきたましひに親しきものたらしめ、その祖先崇拝は系図から系図へと辿って皇室をば全国民共通の遠祖となした。我々に取りて国土は、金鉱を採掘したり穀物を収穫したりする土地以上の意味を有する。それは神々、すなわち我々の祖先の霊の神聖なる棲所である。また我々にとりて天皇は法律国家の警察の長ではなく、文化国家の保護者でもなく、地上において肉身をもちたもう天の代表者であり、天の力と仁愛とを御一身に兼備したもうのである。」

4,「日本国体の研究・田中智学」「神はこれ『道』の執行力を具現するため国土を要した。それは『道』を行ふ上の背景となり資料となる物質的供給を要したからである。即ち勝鬘経の『力』を聖徳太子が二つに分けて、『一には道力、二には勢力』と釈されたその勢力である。勢とは豪勢の力といふことで、事物の聚合力と統制力とを兼ねた事をいふので、国土山川の有する種々の長所美所、その生命力等の悉皆が皆道の執行力を担保して道を実現する上の力となるから『道』とくればすぐ『国』とくる。これが天より命ぜられた『使命奉行者』たる所以である・・」

 

 

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