「われわれは平生、友だちの間でも夫婦の間でも、しばしば憎しみあったり争ったりして、必ずしも円満な生活を送ってはいない。愛はつねに嫉妬や憎しみを伴う。ところが、もし愛するものや友だちが死んだとしたならば、われわれはどういう感慨を抱くか。平生の憎しみや欠点などを忘れて、その面影の一つ一つが懐かしい思い出になる。争ったことさえ今は切実に回想されるであろう。つまり死に直面して、はじめてわれわれはその人のさまざまの願いや行いや仕事の意味をはっきり知る。死は人間の生命を完璧に語る。死んでみてはじめて、なるほどああいう人間だったのかということがいよいよはっきりして、愛情の涙を流す。ところでもしこの世で一番深い愛があるとすれば、死してはじめて語りうる態の願いを、生きている生身のまま感じる−それが一番深い愛というものではなかろうか。」亀井勝一郎『愛と祈りについて』
最新の画像[もっと見る]
- 金剛頂瑜伽中發阿耨多羅三藐三菩提心論 8ヶ月前
- 一日は定光佛・熱田大明神・妙見様・天神と地神の日 2年前
- 万人幸福のしおり 4年前
- 佛説彌勒大成佛經 (全巻書き下し) 4年前
- 四国八十八所の霊験・・・その97 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その92 6年前
- 四国八十八所の霊験・・その89 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その88 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その83 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その76 6年前