福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

お地蔵様の霊験の実例と根拠

2024-01-31 | 頂いた現実の霊験
お地蔵様の霊験の実例と根拠

1、お地蔵様の現世利益を説く経典
地蔵菩薩本願経囑累人天品第十三にはお地蔵様を見、讀誦・香華・飮食・衣服・珍寶・布施・供養・讃歎・瞻禮すればの28種の功徳を得ると説かれています。「若未來世有善男子善女人。見地藏形像及聞此經。乃至讀誦香華飮食衣服珍寶布施供養讃歎瞻禮。得二十八種利益。一者天龍護念、二者善果日増、三者集聖上因、四者菩提不退、五者衣食豊足、六者疾疫不臨、七者離水火災、八者無盗賊厄、九者人見欽敬、十者神鬼助持、十一者女転男身、十二者為王臣女、十三者端正相好、十四者多生天上、十五者或為帝王、十六者宿智命通、十七者有求皆従、十八者眷属歓楽、十九者諸横消滅、二十者業道永除、二十一者去処盡通、二十二者夜夢安楽、二十三者先亡離苦、二十四者宿福受生、二十五者諸聖讃歎、二十六者聰明利根、二十七者饒慈愍心、二十八者畢竟成仏 」

2、護国寺一言地蔵様の霊験
「護国寺が発行する「護国寺」第96号の一言地蔵様の霊験。「お地蔵様には沢山の方がお参りに来られます。遠くは北海道や福岡から来られています。・・学生さんが真面目にお参りされていたので聞いてみると『お陰様で東大に合格しました』とのことです。・・ある方は『事業をはじめましたがお客様の事を考えて努力したらうまくいきましたのでお礼に伺いました』といいました。お陰を受けて毎日お礼に見える方も沢山いらっしゃいます。・・・」。
「私も十年くらい前に、一言地蔵様には素晴らしいお蔭をいただきました。六十年続いた継母との根深い確執、これにより私も生まれた寺を継げなかったくらい根深いものでしたが、このままでは僧侶として恥ずかしいと思い一言地蔵様に願掛けしたお陰で奇跡的に和解し継母が本当に良いおばあさんに変身したのです。」
3、生家のお地蔵様の霊験
「また生家の寺には境内に四体のお地蔵さまがありましたが、高校生のときもこのお地蔵さまに朝晩額ずいてお参りしたお陰で難関大学に現役で合格させていただきました。」
4、藤吉地蔵様のこと
「観音の霊験」中根環道(明治・昭和期の教育家、曹洞宗僧侶。鶴見大学理事長兼校長、駒沢大学学長)の本に死刑囚も観音様のお導きで大往生しお地蔵様になったという不思議な有難い話が載っていました。要約すするとこうです。
当時一世を風靡した大博徒の武部申策から聞いた話として以下の様に書いています。
「昭和7年滝野川で強盗殺人を犯し死刑宣告を受けた藤吉という男がいた。どういう訳か自分が博徒であるということからか獄中から、死を前にして自分(大博徒の武部申策)に縋りたいと手紙をよこした。そこで十円を送ってやったが、すぐに数珠や経帷子等死出の旅路に必要な支度一式を整え残り8円50銭也といって其の明細を送ってよこした。これは見所のある奴とおもいその後刑務所を訪問して「懺悔をすれば仏さまは助けてくださる。これから刑の執行まで一心に信仰せよ」というとそれまでの傲岸な顔つきが打って変わったようになり、「わかりました」という。

その後も訪問して「お前は自分(武部)のことを恩に着て草葉の陰から祈っているというが、本当か。本当に私の為に祈る気持ちがあるなら、下野の出流山の前に地蔵を建てて藤吉地蔵として末永く祀ってやるから世の苦しむ人を助けてくれ。それができるか」というと、「できます」という。その後、昭和8年3月市谷刑務所から刑が執行されたとの電報が届いた。行くと死刑執行人が感心していた。執行前に藤吉は「私のような者でも信仰によって清らかなものとなることが出来ました。どうか悪人を善い方へ導いてください」いい、一通の遺書を書いたという。それには「吾が心 今より後は 出流山の地蔵となりて 人を導く。 藤吉。 武部申策様」とあったという。
藤吉は死刑執行直前になると正座して観音経を朗々と読み、その後右手に数珠、左手に観音経をもち死する事帰するがごとくであったという。
その後私が帰宅して夜半二時ころ観音経をあげていると、バタバタと音がした。その瞬間凍り付くような寒気がしてぞっとした。右手を見ると私にお辞儀をしている者がいる。「藤吉きたのか」というと、最早姿は見えなくなった。藤吉はいまも出流山の藤吉地蔵として善男善女のお参りが絶えない」
出流山の藤吉地蔵については、昭和46年発行の清水谷孝尚浅草寺貫首様の「観音霊場坂東札所めぐり」にも「十三重の塔、藤吉地蔵などを廻拝」とあるので知る人ぞ知るお地蔵さまであったのでしょう。今もネットに「出流弁財天、清滝稲荷、藤吉地蔵、 先々代墓所、女人堂をお参りして奥ノ院を目指しました」等とでています.


5、『今昔物語集』巻十七には地蔵菩薩の霊験が三十二話にわたって出ています。
第一 地蔵菩薩の変化に値遇せむと願ふ僧の語
第二 紀用方、地蔵菩薩に仕りて利益を蒙る語
第三 地蔵菩薩、小僧の形に変じて箭を受くる語
第四 地蔵菩薩を念ずるに依りて、主に殺さるる難を遁るる語
第五 夢の告に依りて泥の中従り地蔵を掘り出だす語
第六 地蔵菩薩、火の難に値ひて自ら堂を出づる語
第七 地蔵菩薩の教へに依りて幡磨の国の清水寺を始むる語
第八 沙弥蔵念世に地蔵の変化と称る語
第九 僧浄源、地蔵を祈りて絹を老たる母に与ふる語
第十 僧仁康、地蔵を祈念して疫癘の難を遁るる語
第十一 駿河の国の富士の神主、地蔵を帰依する語
第十二 地蔵を改め綵色する人、夢の告を得る語
第十三 伊勢の国の人、地蔵の助けに依りて命を存する語
第十四 地蔵の示に依りて鎮西従り愛宕護に移る僧の語
第十五 地蔵の示に依りて愛宕護従り伯耆の大山に移る僧の語
第十六 伊豆の国大島の郡に地蔵寺を建つる語
第十七 東大寺の蔵満、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第十八 備中の国の僧阿清、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第十九 三井寺の浄照、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十 幡磨の国の公真、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十一 但馬の前司□□国挙、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十二 賀茂盛孝、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十三 地蔵の助けに依りて活へる人、六地蔵を造る語
第二十四 聊に地蔵菩薩を敬ひて活へるを得る人の語
第二十五 地蔵を造る仏師を養ひて活へるを得る人の語
第二十六 亀を買ひて放ちし男、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十七 越中立山の地獄に堕つる女、地蔵の助けを蒙る語
第二十八 京に住む女人、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第二十九 陸奥の国の女人、地蔵の助けに依りて活へるを得る語
第三十 下野の国の僧、地蔵の助けに依りて死期を知る語
第三十一 説教の僧祥蓮、地蔵の助けに依りて苦を免かるる語
第三十二 上総守時重、法花を書写して地蔵の助けを蒙る語


 
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