福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

承和元年2月11日は大師が唐招提寺噠噺を撰せられた日です

2024-02-11 | お大師様のお言葉

承和元年2月11日は大師が唐招提寺噠噺を撰せられた日です。高野大師御広傳・続性霊集に「
夫れ念風一扇すれば識海波濤し、覚月乍ち飛べば智山崛吻たり、心暗きときは即ち遇うところ悉く禍なり、眼明らかなれば則ち途に触れて皆宝なり、如来はこれを覚りたまひ万徳の殿に悠遊し、衆生は之に迷ひ三途の獄に沈淪す。沈迷の、驚かずんばあるべからず、昇悟の機仰がざるべからず、この故に我が大師薄伽梵よくこの趣を説いて一子を提制」したまふ。かの偈にいはく「我本覚不生云々」(大日経具縁品に「我本不生を知り、語言の道を出過し、諸過解脱することを得る、因縁を遠離せり、空は虚空に等しと知る」)「普賢法身遍一切云々」(略出念誦経「普賢法身一切處に遍じて、能く世間の自在主となる。無始無終にして生滅なし、性相常住にして虚空に等し」)「阿婆迷云々」(大日経具縁品の入仏三昧耶真言、のうまくさまんだ あさんめいちりさんめいそわか)、もし衆生あって一たびこの法を聞けば五逆氷の如く銷へ、四重露のごとく落つ。たちまちに凡境を超えてたちまちに佛位に入る。伏しておもんみれば招提の法統律将は体浮花の世に潔く、心濁濫の時に清り。羯磨の百千、口吻に波瀾し(百千の威儀に通じ、これを説き就くし)、調伏の万巻、舌の上に括嚢す。(万巻の律蔵に通暁し)。救蟻の年(八歳)室に入って写瓶し(鑑真の弟子となり)、ひょう法の日壇に臨んで(具足戒を受け)翻醐す(受戒する)、一人これを尊んで抜任し、四衆これに憑んで受戒す。いふべし人中の抜楚(傑物)、法城の葛亮(諸葛孔明)なりと。時に年華しばしば萎み、八十たちまちに臨めり、所作已に弁ず。何をか憂へ、何をか虜んばからん。しかれどもなほ思はく、一乗は崇むべく四恩は答すべし。謹んで法弟寿延等を率て大般若等大乗印佛等の一百二十七巻を写し奉り兼ねて百僧を延屈して一乗を講読す。しかればすなわち万徳慈悲の蓮眼を開き一車智慧の刀刃を揮ふ。竜象逶迤として鐘梵寥亨たり。六楽雷のごとくに震ひ、百供雲の如くに沸く。伏して願はくはこの白業を挙げてかの四恩に沃がん。六大の所遍、みなこれわが身なり。十界の所有ならびにこれわが心なり。虚空を盡し法界に洞かんじて同じく醍醐に飽ひて斉しく三点の覚苑に登らん(法身・般若・解脱の三点の悟りの世界)。承和元年二月十一日。(高野大師御広傳・続性霊集巻八

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