「龍樹菩薩の教誡に 仏果を期して戒なきは
渡りに船のなき如く 到るを得じと、のたまえり」龍樹菩薩とは仏滅後600年出世の仏の代理にして住寿300歳なり。始めの100歳は世間の学理と外道の宗教を学び、次の100歳はもろもろの小乗教を学び、次の100歳は諸々の大乗教を学び、終わりにのぞんで秘密佛乗を伝授したまひし大士にして亦即今本邦に弘通するところの仏教諸宗の高祖なり。南インドに伝わる小乗の人も共に尊崇する所なり。其の作にかかる大智度論にいわく・・「・・もし戒なくして好果を得んと欲するも得べからざること、足無くして行かんと欲し、つばさなくして飛ばんと欲するがごとし。もし人、この戒を棄捨し山居苦行し、果を食し、薬を服するとも、禽獣と異なることなし。貧賤なりともこの戒を保つものは、高貴にしてしかも破壊なる者にまされり。華香花香は遠くきくこと能わず。持戒の香は十方に通ず。持戒の人は安楽具足して名声遠く聞こえ、天人敬愛す。現世には種々の快楽を得る。もし天上・人中にして富貴長寿を欲せばこれを取ること難からず。持戒清浄ならば所願皆得云々。(逆にいえば十善戒を守らずにいろいろ神仏にお願いしても無理ということでしょうか・・)
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